私もその世界線に行きたい
いく度ギターの練習を挫折してきただろう
だけど今回だけはもう辞めたくなかった
どうしても「今」の哀しみを乗り越える術が
欲しかった
去年
人間関係で大きな挫折を経験して
その後自分の哀しみを忘れるため
何かに集中する手段の一つとして
その人間関係の終わり頃から
再開していたギターの練習に
徹底的に向き合ってみたかった
文章を綴る事も
私にとって大事な行為
そして
もう一つギターが
再び人と繋がりたいと願う私の
歌う事で気持ちを表現したり
伝えたりする手段になり得ると
本能的に感じていた
私は小さな頃から歌うことが好きだ
楽器は幼い頃
家庭に金銭的な余裕はない家でも
どうしてもしたくて
ない頭を絞ってこう母親に伝えた
将来幼稚園の先生になりたい
そのためにはピアノが弾けないとならないから
習わせて、と
小学校低学年の子供が言う台詞と思えないけど
この頃から私の家庭は
子供の気持ちに寄り添う両親は存在せず
ただ
母親が望む自立した女性像へ近づける子供として
私が育つ
ただそれのみが目標とされる育てられ方を
された
そんな家庭だ
だからお金のない私の家でも
習わせてもらえた
その後
ギターは20歳前半くらいで初心者セットの
アコギを手に入れるが
何度も何度も途中でフェイドアウトしてしまう
でも今回は
私は自分の気持ちを歌に乗せて
成仏させたくて仕方ない
辛い時や悲しい時に何度となく聴いた曲を
弾き語りで外に吐き出したい
ずっと身体中に溜まっている
怨念みたいな重い塊から
嬉しくて飛び上がりたくなる幸せな想いまで
くまなく歌いたい
毎日練習していると
昨日あんなにつかえた指の動きが突然
コツを掴んで滑らかになる瞬間が好きだ
ピアノは鍵盤を押せばなるけれど
ギターは弦だから本当にならない
抑える場所がずれたら音が濁るからすぐ気づく
愛したら答えてくれる恋人みたいに
私に続けた先の喜びをギターは教えてくれる
私は何かをやり遂げられたことがあっただろうか
最後まで諦めずに
自分が努力で勝ち取れたものなんて
あったのかな
自己肯定感とか
自分軸とか一生懸命考えながら
ただひたすら弦に指を滑らせては
私の音を探す
私が私を探してるみたい
探されたい私は努力出来る自分
やりたい事を楽しみながらやり遂げることの
出来る自分
憧れるだけならいくらでも
何十年でも出来る
でも弾ける様になるには
楽しむこと
私が憧れてきたアーティストみたいに
世界中にいるギターを弾ける
一般の名もなき名プレイヤー達みたいに
普通に弾いてる姿に憧れる
私もその世界線に行きたい
そんな自分になりたい
楽しいから
好きだから
自分の魂が喜ぶ事を
めいいっぱい楽しみたいの
ギターが弾ける世界にいきたい
ただの憧れを当たり前に変えていけ