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長期ブランクありのDTPグラフィックデザイナーが プログラミングを学んでみたら、いろいろ先駆的で驚いた話#02

こんにちは。福岡でDTPとWEBのデザイナーをしていて絶賛お仕事募集中。Nenpa_(twitter)と申します。
元々グラフィックデザイナーをしていましたが育児で9年もブランクができ、自らを再インストールすべくプログラミングスクールへ。
思いっきりアナログ人間の私がスクールに行って得たこと、ぶつかった壁を赤裸々に綴ります。#02はデザイナーとエンジニアの業界の違いについて。
色々と風土自体が違ってて、学びが大きかったです。

こんな人にオススメの内容です。

・デザイナーと初めてチームを組むエンジニア
・チームで円滑に仕事がしたい方
・DTPデザイナーでUIデザインも気になり始めた方
・プログラミングスクールに行こうか迷い中の方
・30-40代から何か始めようと思っている方
・WEBへシフトしたいけどアプリにも興味がある方

#01はなぜプログラミングを学ぶことになったかのお話。こちらもぜひ!↓ 

プログラミングの世界を知って驚いたこと

デザイン事務所の平均的な人数は3-4人。大規模の制作会社でデザイナー80人…しかしこの規模は地方にはほぼ皆無。なのでほとんどは3-4人体制。
 そんなデザイン事務所の多くは毎日大変忙しく、新人さんに教える時間をなかなか割くことができず、現場はいつも締切の嵐。
感性と技術のインプットが常に求められる業界なので、どうしても若いデザイナーに需要があり、入社希望の人は常にたくさん。3年以内での入退職も激しく、先輩自身も誰からも教えて貰えなかったので自分の技や技術の身につけ方を教えない。教わるより目で学べ。習うより慣れろ。そんな風潮がありました。

一番驚いたのはオープンな情報共有

そんな苦い思い出しかなかった私が、プログラミングスクールに行ってみて最も驚いたこと。それは、
「情報公開の開けっ広げの良さ」でした。
開発の途中段階で平然とコードを見せ、先輩がごく当たり前のように説明しながら直す。うまくいかなければ一緒に考え、調べる。

しかもオープンソース、ってアレ、なんですか?!
開発途中のやりとりまで公開してしまって、よその人が急に「これならこのコードがいいですよ」などと開発に参加してくる。(しかもボランティア!)どんな企画や何やってるのかとか、もうスケスケ。開発したコードも他所で利用していいですよ、と。いや、むしろしてくださいと言う雰囲気。
どこまで心が広いんですか????菩薩デスカ????

グラフィックのような、ひたすら孤独にバランスを整えながら、完璧な世界観を構築する作業とは真逆です。(途中で口を挟まれるのを嫌う傾向も)

そもそもプログラミングの場合、一つのプロダクトを「チームで」作り上げることが多いから、常に状況を公開し、現状を把握。ソースは次の開発に使えるよう、誰もが共有することが当たり前。誰しもに扉を開き、協力し合う体制ができているんです。
そして勉強会などでスキルや力量の違う者同士がチームになることも多い。
外部から全く知らない人がチームに参加し、作業を一緒にすることも多く、開けっ広げじゃないと始まらないのでしょう。

それに対してDTPデザイナーは「まだ固まってないんで」「あとちょっと色とバランスが…」なんて言っていてなかなか制作途中をオープンにしない。
見せた後の「ここ直して」と言われることにも抵抗があったり。
※この話、完璧主義で行動が遅れがちな私にとって書くことが辛くなる程よくわかり反省…(でも見せてフィードバックいただくのはメチャクチャ大好きです🙂)
デザインの場合、制作途中の公開に関してはどうしても守秘義務や著作権が絡む業界なのであまりオープンにもできず、その難しさもあるかもしれません。だからこそプログラミングを知った時、開けっ広げすぎてびっくりしました。え?部屋散らかったまま鍵かけずに外出しちゃって大丈夫??みたいな。

いいものを作るために「ごく普通に」意見する

相手のコードを見たら、ここ、この方がいいですよ。とすぐさま教え合う。
その為に「レビュー会」という時間をわざわざ取っていたりします。ありがたすぎる…!!
プロダクトを一緒に作り上げる上での迷いやコードの詰まりをチームで共有しあい、互いのコードを見せ合う。「こうした方がいい」と知識を伝え合う。いいコードがあれば教えてもらう。デッサンの批評会みたいな感じです。私にはこの風土と仕組みが非常にセンセーショナル。目からウロコでした。

そこには変なマウンティング等はなく、敬意と素直な学びがあります。なぜならば「より良くなることが互いにわかってるから」
批評や指示に「感覚の差」のあるデザインとは違い、プログラミングは良いコードは短いから目で見て分かるんですね。実際に「動かす」ことを目的にしているのでゴールも明確。
「動かすこと」に向けてチームで走っていくためブレも迷いもありません。
デザイナーみたいに「意見したら気分を害するかもなー」なんてめんどくさいことをチクチク考える必要がない。だって「よりよくするために意見する」のだから。

作ってる途中で出しちゃう風土

とにかくサッサと作って、プロダクトを試す! 実際にユーザーに試していただき、その意見を聞き修正することでブラッシュアップしていく。
そのために、完璧でなくて全然いい。
最終のローンチまで、まずは「試作です」と言って公表し、ダウンロードやアクセスをして、未完成のままユーザーを集めて始めてしまう。
え? まだこのページ、白紙ですよ?? ボタンとか動作しない所もたくさん…!見栄えとかエクセルみたいだし!…でもGOです。
とりあえず動きを試す。

正直言って「完璧に美しく仕上げてから上司に見せるもの」な風土のあるデザイン業界からするとちょっと抵抗があるかもしれません。
でも結果的に、展開が早いです。直接実際にユーザー層に触ってもらうから声をどんどん吸い取って、結果的にいいものに仕上がります。
この進め方は、完璧主義で行動が遅くなりがちな私には革命的でした。

立ってプログラミングする文化

え? 何、あの人ずっと立ってるんですけど??
あの人も!! え、この人も???
あの…何やってるんですか? 「いや、疲れるから立って作業を」
むしろ疲れませんか?それ??
あと、どこでも仕事する文化があります。
海外で、砂漠で、海で、旅行先で。
ネットに多くの情報が溜まっていて、迷ったらそこから検索するので
あまり分厚い書物を必要とはしないのですね。

気持ちいいぐらいハッキリしてる

みんな行くからAさんも一緒にランチ行きません?
A「あ、いいです。俺、コーディングするから。」
(そして夜の2時迄やっていたりする)

普通にそんな感じで、エンジニア系の人って良い意味で個人主義。
ウェットな感性で世界を構築し、相手を察してナンボのデザイン業界においては、相手の事情や状況を思いやるあまりグジグジと考えてしまう繊細なタイプが多いように思うのですが、プログラマーの皆さん、もー気持ちいいぐらいハッキリしてます。
「このコード、よくないと思うんですよね」
そういうのもハッキリ言う感じ。でもそっちの方が全然いいです。
その根底には「より良くしたい」の気持ちが溢れているのが分かるから。

肩書きや周りを気にせず、自由に決定して自由に意見を言い合う。
それを誰もがなんとも思わない風土に、心地よさを感じます。自由でいい。

デザイナーがプログラミングの世界から学んだこと

・オープンな情報公開の心地よさ
・より良くする為の知識の共有
・未完成だけど走らせる勇気
・ハッキリとした意志と、自由な風土

個人よりチームベースの考え方にハッとした。

コロナ以降、チームで仕事をすることが増えた気がします。
プログラマーを目指す人が増え、デザインの場でも「教え合う」「共有し合う」「制作途中で公開する」そんな風土が出てきた。
1年前には今のようにデザインのコツや知識をオープンにしたり、人に批評を貰ったりすることは、それを望む人自体少なかったように思います。
 さらに1年後、状況は大きく変わる気がする。デザイナーが個人単位で活動して、チームに出たり入ったり。エンジニアと似た感覚でつどチームを組み、DTPもWEBもUIも垣根なくデザインし柔軟に働けるようになる。
この記事を2022年1月末に書いてる私は、現時点でそんな気がしています。

編集後記:日頃はこんな事をしています。

DTPのデザイン→WEBやUIに広げています。(アート×音)×ファッションをコンセプトにデザインを行っています。
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