岩井俊二監督 『Love Letter』 : 岩井俊二の「オカルト趣味」
映画評:岩井俊二監督『Love Letter』(1995年)
およそ、私にはそぐわない映画である。
普通ならここで、その理由を、ある程度は詳しく説明するのだが、本作の場合は、そのタイトルからして、私向きじゃないというのがわかるはずだ。なにしろ、身も蓋もなく、ド直球に『Love Letter』なのである。
もちろん、本作の原作が、「叙述トリック」ミステリで知られる折原一の小説なのであったのならば、「ラブレター」と言っても、そこにトリックが仕掛けられているのだろうと、そうした