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「エンタメ(マンガ・アニメ・映画など)」作品のレビュー

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広く「マンガ」「アニメ」「映画」など、エンタメ作品関係のレビューを紹介します。後日整理の予定。
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#書評note

平山瑞穂 『エンタメ小説家の失敗学 ~「売れなければ終わり」の 修羅の道』 : 業とし…

書評:平山瑞穂『エンタメ小説家の失敗学 ~「売れなければ終わり」の修羅の道』(光文社新書…

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にゃるら 『僕は にゃるらになってしまった ~病みのインターネット~』 : やっぱり、…

書評:にゃるら『僕はにゃるらになってしまった ~病みのインターネット~』(角川書店) そん…

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樋口毅宏 『雑司ヶ谷R.I.P.』 : 堕ちるところまで堕ちたフリ

書評:樋口毅宏『雑司ヶ谷R.I.P.』 樋口毅宏のデビュー作『さらば雑司が谷』の続編である。 …

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樋口毅宏 『さらば雑司ヶ谷』 : 「汚れっちまった悲しみ」のナルシシズム

書評:樋口毅宏『さらば雑司ヶ谷』(新潮文庫) 最初に、小説としての出来について書いておこ…

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筒井康隆・ 蓮實重彦 『笑犬楼 vs.偽伯爵』 : 狐と狸の化かし合い

書評:筒井康隆・蓮實重彦『笑犬楼vs.偽伯爵』(新潮社) 読んだことのある人なら、両者がと…

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諸星大二郎 『孔子暗黒伝』 : 異形なる世界へのロマン

書評:諸星大二郎『孔子暗黒伝』(集英社) 本作『孔子暗黒伝』は、諸星大二郎の初期傑作とし…

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樋口毅宏 『タモリ論』 : 信仰を欲する、無神論者の屈折

書評:樋口毅宏『タモリ論』(新潮新書) タモリには興味がない。そんな私が本書を読んだのは、もっぱら、著者の樋口毅宏に興味をもったからだ。 小説家である樋口毅宏の最近刊『中野正彦の昭和九十二年』が、今どき珍しくも「回収」されてしまった。この作家は、実在の人物や実際の事件を作中に取り込むことで、一種独特の「奇妙なリアリティ」を持つ作品を書くようなのだが、この小説に中では、昨年(2022年)7月に発生した、「安倍晋三元首相殺害事件」を「予言する」かのような内容が含まれていたらし

大塚康生 『作画汗まみれ』 : 〈職人〉という イデオロギー

書評:大塚康生『作画汗まみれ 改訂最新版』(文春ジブリ文庫) いささか、大塚康生という人…

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笠井潔・ 絓秀実 『対論 1968』 : 笠井潔における 「道具としての他者」

書評:笠井潔・絓秀実『対論 1968』(集英社新書) 本書は、「1968年」を頂点とした「民衆蜂…

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panpanya 『グヤバノ・ホリデー』 : 〈探求〉の果ての幻想

書評:panpanya『グヤバノ・ホリデー』(白泉社) 結果として、panpanyaの本は手に入った順に…

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樋口毅宏 『民宿雪国』: 「知られざる傑作」の、 モラルと批評性

 書評:樋口毅宏『民宿雪国』(祥伝社文庫) 本当に素晴らしい小説を教えてもらったと喜んで…

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フィリップ・K・ディック の 「人間らしさ」について : ジョン・ブラナー編 『ザ・…

書評:ジョン・ブラナー編『ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック〈2〉』(サンリオSF文庫) …

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水谷緑 『私だけ年をとっているみたいだ。 ヤングケアラーの 再生日記』 : ある警察…

書評:水谷緑『私だけ年をとっているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記』(文藝春秋) 「…

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武田泰淳 『司馬遷 -史記の世界-』 : 〈生き恥をさらす〉に値する 生

書評:武田泰淳『司馬遷 -史記の世界-』(講談社文芸文庫ほか) いまどき、武田泰淳である。 若い頃に、現実の事件に取材した『ひかりごけ』を読んでいるけれど、その時は「カニバリズム」ということに興味を持っていたので、その点に注目して読んだのだが、そういういささか悪趣味な興味を満足させるような作品ではなかった。物語の内容はおおよそ憶えてはいるが、文学として評価できるほどの感触など、今はもう残っていない。 とにかく、期待したような内容ではなかったということで、それ以来、武田泰淳