秘密の青いダイヤ(タイタニック随想)
⬇️昨日はタイタニック後編をリアルタイムで観ていましたが・・・
一週間前の前編は、はじめの方をきちんと観れてなかったので、今日は録画を全編通しで復習しています。
(「タイタニック」を観たことがない方、久々に観るのがこれからの方がもし読んで下さっていたら 以下、ネタバレ注意です・・・)
序盤の方で細かい「鍵」というか振りのようなものも
たくさんあったんですね。
ポーカーの勝負に勝って5分前に乗船したジャック
好きでもない婚約者と一緒にアメリカに向かうローズ
ピカソの絵を「こんなの値打ち出ないよ」と鼻で笑うような、ローズとは感性も価値観も全く合わない婚約者のキャル
ローズがもしジャックに出逢わなかったら
前半のあの段階で海に身を投げていたことになるけど
どの道、キャルと結婚して死んだような人生を送ることは
選ばなかったのでしょうね。
「君の欲しい物は何でもあげる」とキャルは言ったけど
ローズの欲しいものはきっと何ひとつなくて
まさかの3等客室にいたジャックが、全てのことからローズを救う
自由の羽を与えてくれたのかなと思います。
その後の人生を二人で生きることは叶わなかったけど
船が沈んで海に投げ出された後まで一緒にいる時間スレスレまでジャックがローズに与えたもの全てが、ローズの人生を変え、そして影響を与え続けた。
ローズが元々持っている勝気で、聡明で、自由闊達な部分を引き出して
閉じ込められた世界から救い出してくれた。
それを無駄にできないと思ったからこそ、ローズは冷たい海で息絶えてしまったジャックの手を離しても「生きる」ことを選んだのでしょう。
初めて「タイタニック」を観たのは相当前なので
忘れていたところもあるだろうし、その時は気づかなかったのかも知れないけど
本当に素敵なセリフやシーンが
たくさんあるんだなと思いました。
救い出されたローズが名前を聞かれて「ローズ ドーソン(ドーソンはジャックの姓)」と名乗るところ
84年後、眠りにつくローズの側には
二人で約束した通りの人生を歩んできたことがわかるフォトスタンドがいくつも飾られていること
タイタニックの「時計」の前で待つジャックに会いに行くラストシーン
周りで祝福するのは、最後まで船に残って命を落とした人、または海に投げ出された人々なのだそうです。(だから、子供や女性が少ないんだとか)(設計者のアンドリュースや楽団のメンバー、そして良く見るとスミス船長もいます)
そして、その時計の針が指していたのは2:20
つまりタイタニックが沈んだ時刻と同じだということも初めて知りました。
物語の発端となったあの大きなダイヤモンド
その行方も、その最後も素敵だなと思いました。
出逢ってから3日にも満たないタイタニックでの二人の時間は
ローズにとって宝物でもあり、そして一生守ってきた秘密でもある。
あのダイヤはその象徴的な存在なのかなと思います。
この映画に込められたメッセージは他にもたくさんあって
当時の格差社会の縮図や、「沈まない豪華客船」への過信と意外な脆さ
船長や設計者の絶望感、演奏を続ける楽団のかっこよさ
語り尽くせませんが
その人にとっての「一番大切なもの」は何か
それが巨大なスケールで描かれているのではないかと思います。
あと何回か観返しそうです・・・。