菅波を見る会
最近の楽しみのひとつ、それは朝ドラで菅波を観ること。
ヒロインよりヒロインしてる。なんなんだあれは、なんですかあの尊さは。
思わず、「すうううがあああなあああみいいい!!!」と心の中で叫んでしまうことも。
最近行き始めた歯医者。先生が誰かに似てる。
朝ドラを観てたら気づいた。
もしや…すがなみ…なのでは…??
そう、あの菅波の雰囲気をそのままにして、まるで徹夜でフルマラソン走らせたあとみたいにものすごくクタクタにさせたのが、その歯医者の先生。
それじゃもはや雰囲気がそのままじゃないじゃんって?
いや、わりとそのままなんだからほんとに、伝わってくれ。
さて、ここからは少し真面目な話。
菅波がなぜあんなにも全国の朝ドラファンを虜にしてやまないのかを考えてみたい。
正直なところを言うと、これまでこのドラマをどう楽しめばよいのかわからなかった。
とくに、キャスト先行の傾向が強く、当て書きと思われるキャラクターでさえ演者が脚本を食ってる場面が多々みられたからだ。
しかし、そんななかでも序盤から作品の雰囲気にベストマッチしていた男がいた。それこそが坂口健太郎さん演じる菅波だ。
この、誰に対しても敬語だったり、物腰の柔らかいことば遣いなんだけど、なんらかのギャップで殺しにくるキャラクターは脚本の安達奈緒子さんの得意分野と言って良いのではないかと、素人ながら勝手に思っている。
例をいくつかあげてみよう。
まず、『透明なゆりかご』の由比先生(演:瀬戸康史さん)。
優秀な街の産婦人科医の風格と、丁寧なことば遣いが特徴的だけども、時折みせる少年のような笑顔は強烈な破壊力をもっていた。
男の人への嫌悪感を抱きやすくなりがちなあの作品において、とてつもない存在感を放っていたと思う。
次に、『サギデカ』の廻谷(演:青木崇高さん)。
どこかワイルドな雰囲気を保ちつつも、その立ち振る舞いは紳士そのもの。
劇中、主人公・夏蓮(演:木村文乃さん)へと急速に距離を詰める言動も彼のビジュアルだからこそ許される。
さらに、『G線上のあなたと私』の理人(演:中川大志さん)。
大学生ながら年上の主人公・也夜子(演:波瑠さん)に対して、きちんとした敬語で接し、なんだかんだ言いながらひとりの女性として尊重する。きっちり紳士。
だけど、時折みせるギャップと荒々しい感じがまた…。なるほど、うちのオカンをはじめ、多くの視聴者が虜になるのも無理はないですね。
そしてやっぱり、『きのう何食べた?』の主人公、シロさん(演:西島秀俊さん)である。
ふだんキチッとしまくりのやり手の弁護士が家帰ったらあれってもうね…。合法でいいんですかほんとに…(褒めてます)。
と、いったところだろうか。
あえて断っておくと、上記4作品のうち『サギデカ』以外は原作付きなので、キャラクターをイチから立ち上げたというわけではない。
だけど、漫画の世界から映像へと飛び出すための仕掛け人こそが脚本家の方。そこには確かな実績があると、わたしは思う。
話を菅波に戻そう。
とにかくこの男、上記のキャラクターたちがもつ紳士っぷりと秘められたやんちゃっぷりが欲張りセットになっている。
なに、なんなの、「見せつけますか」ってなんなんだよ…。
そして、なんというかその「そのへんにいそうな感じ」がすごい。わたしが歯医者で出会ったように、全国の医療機関には「量産型菅波」がたくさん流通している気がする。
その絶妙な感じを醸し出してるのが、坂口健太郎さんの素晴らしさ。彼の感情の緩急の付け方が絶妙なおかげで、全国の視聴者が振りまわされてる状態だ。
いまや全国の朝ドラファンは、坂口健太郎の手のひらで転がされてると言っても過言ではないだろう。
そして、主人公・百音を演じる清原果耶さんとの相性がぴったりなようにも思える。なんかほんと仲良さそう。
どこかの誰かからケンタッキー投げつけられないように気をつけないとね。
ということで以上、菅波について語ってみた。
『おかえりモネ』については、家康と寧が夫婦だし、秀長殿がお坊さんだし、主人公の幼なじみは信繁の娘・すえだし、挙げ句の果てには憎きあの有楽斎が社長…なぜだ…?と観ていて混乱する。
それに、人見絹枝もいればIOC委員の副島、オリンピック大臣の川島、組織委員会の津島に三波春夫までいる…なんで…?とも混乱する。
真田丸といだてんに毒されすぎてるな…笑
※写真は『おかえりモネ』のロケ地、中央区の勝鬨橋。きょう(9/10)の放送では、この橋のたもとのシーンが大反響を呼んだ。
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