【仕事日記#8】サボり続けるZ世代の本音に迫ってみた
うちのZ世代たち、だいぶ評判が悪いです。
おととしが業績好調だったので、去年、営業部に人員を大量追加することになったのですが、「なんかリファラルって定着いいらしいよ!」とノリで雇用してたら大変なことに。というのも、言い出しっぺの人間がギャル大好き男だったんですね。
いまならあの有名な会社入れるぞ!しかもリモート!とギャルがギャルを呼び、日常がアパレル入社式状態に。しかもギャル好きマンはさっさと辞めてしまったので、オペレーションがだいぶカオスです。
今回は、そんな弊社の惨状をご紹介します。
フリーダムな現状
まず、シンプルに言うことを聞きません。
「今日は100件アポ電するように」
→結果30件「忙しかったから」
くらいは序の口で、
「社内プレゼンしろ」
→資料はメモ帳にベタ打ち2行
「本社に来い」
→忙しいんで、と勝手に辞退
「上司がちょっと注意する」
→休む
などなど、サボり方がどんどんプリミティブに。
同時期に同世代を獲得したというのが完全に裏目に出ています。
部署メンバーが全員集まるオンラインMTGでは、キャッキャしてる声が入っていて、同じ場所で参加しているのがバレバレ。また、いつもカメラは鼻までしか映さないので、多分お菓子でも食べてるんじゃないでしょうか。
成績に関しては、もはや気にしている雰囲気がありません。
飲食のバイトで店の売上とか気にしてるのって一部じゃないですか。完全にあれですね。社員として、とか”帰属意識”とかは皆無です。言っても「え、貴族?なりてえ!」くらいにしか思わないでしょう。
営業部長苦難の歴史
事業部創設から支えてきた初代営業部長(ボスの犬)は天下りの官僚みたいな堅物で完全になめられてました。
「おー、●●ちゃん最近どうなの?」
「おいおい、●●さんだろ!」
とギャル高校の学年主任テンプレが出てしまうほどで、ハンドリング不足から今年の春に解任。
続いて、他社からヘッドハンティングした2代目営業部長は、スマートながら優しいお父さん丸出し。
怒ってもせいぜい
「ちゃんとやらないとだめじゃないか」
のえなりレベルなので、さらりとかわされてしまいます。
管理は数時間おきに生存確認するのが精いっぱい。営業として成長させるなど夢のまた夢で、業績は急下降し、体調を病んで自ら辞職しました。
で、つい最近3代目が就任しましたが、さてどうでしょうか。
僕を会社に誘ってくれた28歳の子なのですが、悟空みたいな典型的なプレイヤータイプ。
若手「どうしたらいいですか?」
3代目「え、逆になんでできないの?普通にやれば良いだけじゃん」
と天才すぎる答えを連発して早くも反感を買っています。
他部署のお局が日替わり噴火
こんな現状に、各部署のミドル=モンスターたちが黙っているはずがありません。
もちろん報連相なんて食べませんし、書類は適当ですから、
「学校じゃねえんだから」
「邪魔だから出ていってほしい」
など連日愚痴大会を繰り広げ、世代&部署間ギャップがどんどん広がっています。
Z世代は怒られるのが大嫌いですから、ここに関してはちゃっかり人事にクレームをつけています。人前で怒るとかナンセンス。普通に感情入れないで注意できないすか?てなもんです。
(これは僕もそう思う)
ただ、不思議なことにZ世代たちは辞めません。怒られても裏のLINEで悪口退会すればストレスは晴れるし、みんなしっかり彼氏彼女がいるので、休日もデート三昧で発散できます。
そこそこ暇な仕事、好きな時にリモートできる環境、同世代に比べたらましな給料に、会社のネームバリューによる自己承認。もともと出世欲はないので、オンラインで週に1度ちょっと怒られるのを我慢すれば安泰なのです。
むしろ、なぜ続けるのか?が不思議な状態。
とはいえ営業部長やボス(事業部長)は完全に老害認定されているし、30代の兄さん姉さん世代は部署に愛想をつかして出て行ってますから、彼らの本音に迫る人間は絶滅寸前です。
誰かいないかなーあんまり営業としがらみがなくて、彼彼女らをご飯に誘えて、ゆるく話を聞き出せる人。
ということで、私にスパイの特命がくだりました。
会社がお金を出すのでリサーチしてきてほしい、とのことです。
Z世代営業たちの本音
繁華街の昼居酒屋ランチ、個室に入ると
「ウェーイnemu兄ひさしぶりっす~」
と手荒い歓迎を受けました。
(アニキ扱いされるようになった記事参考)
裁判でもなんでも両方の意見を突き合わせるのが大事ですから、スパイとはいいつつフラットに話を聞いてみます。
なかなか正直。ただまあ全部わからんでもないというか。僕も25、6の時に営業していた時は、こんなことを考えてました。
ただ同時に、この辺って割り切れたら仕事ってものがずっと楽になった肝でもあるんです。だから彼彼女らにうまく折り合いをつけてほしいんだけど、いざ指導するとなると難しいですね。
やっぱり時代が違うし、ボスや営業部長には少しでも目線を合わせようという形跡が見られないですから。
昭和世代の変わらぬスタンス
ランチ後、上層部には無難な報告をしましたが、40overの大人たちは判で押したように同じような反応でした。
「僕らの時代にそんなこと言ってたら大変だったよね」
「今に分かる。彼らは将来何やってもダメだよ」
「分かり合えないのは、私がおかしいの?」
とか。
でも、自分がおかしい?などと聞きながら、ちゃんと分析してる雰囲気はないんですよ。ネット記事かなんかで「Z世代=受け身傾向」くらいは知ってても、なぜか?それって悪い事?どうすれば自分の世代と折り合いがつくのか?と具体的に考えようとはしない。
お互いに歩み寄ってないんだから、そりゃ溝は溝のままですよね。
そもそもZ世代は自分たちにZ世代とラベリングをしてないし、見てる景色は最初からまるで違うんです。
指導層は押しつけの発想しかないから、ずっと同じことの繰り返し。
営業やれ→やらない→やれ→やらない→なんでだよ、営業だろ稼げよ→やらない……。
これが自分の子どもなら、根気負けしてやってくれるのかもしれませんが、せいぜい会社でちょっと喋るくらいおじおばですしね。
その点、僕には子どももいないし、そもそも若者のおかげで会社に入れた立場。"コントロールしてやろう"という気がないから、多少受け入れられているところはあるのかも、と思ってます。
アニキの提案・考察コーナー
今後上層部にもし意見を聞かれたら
「Z世代とくくらずに、個々の特性を尊重しては?」と言ってみる予定。
いま会社の大人がやっているのは
・達成しろ!楽しさは後からついてくる!
ってアプローチなんですけど、どうみても達成感とか欲しがってないので……。
・楽しいを用意してあげて、延長に達成がある
に変えてみてもいいんじゃないかと。
たとえば、ギャルのうち一人(埼玉のギャル)に
「私インスタ大好きなんですよねー。会社のインスタとかマジやりたい」
と言う子がいる。
これを大人たちは、一人前になってないのに別の業務なんて逃げだ。一度希望を聞いたらわがままが通るし、任せるわけにはいかないという感じで却下するんですが、既になめられ切ってるじゃないですか(笑)
だったら、
「お、じゃあインスタやってる企業にDMからアプローチかけてみたら? その代わり業務の2割までにして、ちゃんと結果報告してね」
くらいの懐を見せてもいいと思うんですよ。
●話を聞いてくれる
●自分だからまかせてもらえる
●好きを活かせる仕事ができる
●大人に勝てる領域(SNS)がある
こういうところからも、十分飛躍のきっかけになるんですけどね。
僕にできるのは、そういうアイデアを一緒に提案したり実現することかもです。まあ自分自身も干されてるんで、あんまり偉そうなことはいえないんですが……。
*まとめ*
もし気分を害した方がいたらすみませんが、もちろんZ世代たちを揶揄するつもりはありません。こういう言葉はカテゴライズしたい側がつくったもので、当の本人たちは半分蔑称だって気づいてるでしょう。ゆとり、さとりもそうでした。
僕には、よく一緒にサウナに行くZ世代の青年がいます。賢すぎるあまりボスの逆鱗に触れて既に追放されましたが、付き合いが続いていて、一緒にいると本当に勉強になります。楽するところは頭をつかって楽していて、新しい感覚だなーってなる。
そういえば、僕らが若い時も
「インターネットなんてやって何になるの?」とよく言われました。それがいまやどの世代も中毒者ですから。新しい価値観の魅力が伝わるまで時間差がかかる、それだけなんじゃないかなあ。
事業部の中でせめて僕くらいは、新しいアンテナに期待して
「オラに力を分けてくれ!」と頼み続けてみようと思います。