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子どもの”やる気”が起きたおりょうり&パーティーブックス

器の絵柄の描写がすばらしい

平野レミのおりょうりブック 1989、平野レミのサラダブック 1991、
平野レミのおにぎりブック 1995 いずれも、和田唱・和田率絵 福音館書店刊


ずっと前に”火も包丁も使わない”シリーズのペーパーバックを古本屋で見つけて購入。和田家のご家族で作った貴重な絵本なのです。のちに傑作選を人から譲っていただいたりして、バラバラで持っている宝物で、子どもが触れないように、本棚の高い位置に入れたままでした。

ステイホームしていたあの頃。
時間がたっぷりあるけど、何もやる気がおきない。
ふと子どもにこの本を見せてみました。

今の時代の子どもでも、見ると作りたくなる気持ちがわき出すようで、やる気が出るスイッチが動いたようです。絵本を開きながら、台所で引き出しを開けます。ごま油や醤油、ボウルを出して試し始めました。
本が汚されるのが心配で、後ろから見守っていましたが、それ以外は子どもに好きに作ってもらいました。この本が実用書としての役目をようやく果たしたのです。

裏表紙側の見返しに、小さく書いた”デザイン・和田誠”の1行も初めて気づいて、本棚にしまっておくだけでは勿体ない、開いてみて気づくことがある。と改めて実用書としての魅力に気づきました。

今でも、ドレッシングを切らした時に、サラダブックの記憶を頼りに作ってくれます。
今の料理本なら、電子レンジやホットプレート、電気で沸くケトルの出番があるのだろうな。いや、こういう道具を使ってないシンプルな料理を提案しているからこそ、これからも実用書としても生きるのだとも思います。

旅の絵日記 和田誠/平野レミ 中央公論新社 2021.12.21復刊。1989年

つい最近、図書館で借りて読みました。
フランス発、スペイン経由、ローマ目指す家族の夏休みの旅の記録。なのですが、お料理ブックシリーズを制作していた頃のお子さんたちの年齢が、旅の絵日記の出版時と重なることに気づきました。

美味しいものの記録、出会った食器などが魅力的なのですが、レミさんに寄り添って、親の目線でみたり、お子さん側の目線でみたりして子育ての日記でもあります。
なにしろ長距離の移動なので、一気に次の目的地に行きたいところだけれど、遊ぶ時間を入れたり、途中で弟の率くんが熱を出して病院に行ったりして。

和田誠さんの解説のほかに、息子さんの旅の思い出の作文や、イラストも掲載されていてお得な一冊です。ご兄弟は、おいしいものを食べて、おいしいものを作った子供時代を過ごされたのだなと、読んでいるこちらもお腹が満たされたような気持ちになりました。



パステルカラーのカップケーキにリボンが貼ってある

ルルとララのすてきなパーティーブック あんびるやすこ監修 ぴあ株式会社刊

料理本というか、”パーティー”の本。
小学校低学年の子のファンが多いルルとララが、四季折々のパーティーを提案しています。
なんとか頑張れば作れそうなお菓子のレシピに、100均グッズで真似できそうな器選び、可愛い飾り付けの作り方、招待状やマナーのことまで書いてああり、”これならできるかも”と、子どもも大人も心が動かされます。

自分が子どもの頃と比べて、お菓子の色がカラフル。
お菓子に使うために、着色料を買ってくれと言われ、少しづつ揃えて試しました。クッキーやアイシングに使ってみたものの、消費期限までに全部は使いきれませんでした。

実際には、いちばんやりたかった頃に自粛期間を挟んでしまい、家で友達を呼んでのパーティーはほんの数回しかできていません。
ハロウィンに大盛り焼きそばを真ん中に置いてしまったり、お誕生日会に嬉しい餃子の差し入れがあったりして、本とはだいぶ違ったことになっていましたが、思い出に残るものとなりました。写真を見返すと、家の中もそうとう散らかっているのですが。やれるのはほんのひと時なので、思い立ったらぱぱっとやるのも大事だなと思いました。

そのぶん、子どもは頻繁にパーティーごっこをしていました。
歯医者でごほうびにもらえる食べ物の形をした消しゴムや、粘土でパティシエになれるおもちゃや、折り紙で近いものを作って並べていました。
ダンボール箱のテーブルの周りも飾り付けて、ぬいぐるみたちがやってきます。連日のようにそれはそれは豪華なパーティーをしたパーディーピーポーでした。


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