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(71)ガザニア

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ガザニア

南アフリカ原産。
もともとは多年草なのだが、高温多湿に弱く、日本では秋植えの一年草として扱われることが多い。

ガザニアの名前は、15世紀、イタリア、ルネサンス期に活躍したテオドロス・ガザという人物の名前にちなんでつけられた。

古代ギリシャ時代
プラトンの弟子で
テオプラストスという人物の著作に「植物誌」というものがある。

この著作は、歴史上、最初に植物を体系的に論じた研究書で、500種に渡る植物に関する、当時の最高水準の観察記録であり、植物学の進歩に多大なる影響を与えるもので
農業、林業、薬学の応用科学書、実用書でもあり、同時にフィールドワークの重要性をも、今日に伝えていて、他に類を見ない貴重な文献でもある。

テオドロスは、これを当時のヨーロッパの共通語であったラテン語に翻訳した。
それ以前にも、翻訳されたものがあったようだが、彼の翻訳執筆能力は卓越しており、テオドロスによって翻訳されたものは、ルネサンス期の人々の間で絶賛された。

テオドロスは、もちろん、テオスプラストスの師匠である、有名な哲学者プラトンの著作など、数々の古代の重要な文献をラテン語に翻訳し、これらの内容がヨーロッパに広く伝わるきっかけになった功績は計り知れない。

その彼の業績にちなんで、この花を「ガザニア」と名付けたと言われている。

ちなみに、ガザニアの和名は、クンショウギク(勲章菊)という。
花に光沢があり、花びらが鋭く角張っていて勲章に似ているからだ。

テオドロス・ガザは、一般にはそれほど知られていない人物だと思うが、この美しい花の名前は、ルネサンス、そして、植物学においても、偉大な貢献をしたテオドロスへの勲章でもあると言えるかもしれない。

今回は名前が難しいというかややこしい人物たちになってしまったが、聴いていて楽しくあたまに入っただろうか。
偉大な貢献ではなくとも途中で止めず、しっかり聴いてくれたアナタに、あたまにふんわりでもいれてくれたアナタに
私は勲章をお送りしたい気持ちである。それではまた。別の植物図鑑も巡ってくださいませ。

Spetial Thanks!! ナレーション台本化協力 人外薙魔様

参考文献


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