【本屋の本が光る】恩田陸「灰の劇場」を読んで
本屋さんで表紙の写真に目を奪われ、
吸い寄せられて手に取ると恩田陸の本だった。
表紙は全体的にグレーがかった
ビルの街並みの写真。
どこかの屋上から撮ったようなそんな写真。
ビルや屋上が好きな私は引き寄せられて、
最初のページを開く。
初めの数行で
絶対に私の好きな本だと確信した。
でも、お金がないのでその場で買うことは諦めた。(文庫本でもやっぱり本って高い)
だけど、必ず後で中古で買おうと心に決めた。
そして後日ネットで中古を買った。
読んだ感想は、
やっぱり私の好きな系統の本だったということ。
そして面白かった。
ネットのレビューで「恩田陸にしては、珍しい感じの文章」とか「純文学に近い感じ」とか、書いてあって、なるほど純文学に近い感じだから好きなのかと納得した。
かといって、私は純文学がどういうものなのか、いまいち良く分かっていない。
そもそも、これまであまり本を読んでこなかったから、わからないだけかも知れないけれど。
それでも、芥川賞の作品を何冊か読んでどれも好きだったし、夏目漱石のこころや、人間失格や細雪が好きだから私は純文学が好きなのかなと思っている。
本屋さん大賞の本も数冊読んだけれど、純文学に比べると私の中では感動が少なかった。
ちょっと自分がなんの話をしたかったのか、よく分からなくなってきたけど、とにかく恩田陸の灰の劇場が面白かったという話。
なんというのか、
文章の雰囲気というのか、
そういうところが好きだった。
内容もその時の私の心情に寄り添うような、
というのか、
テンション的にその時の私に
ピッタリ合っていて良かった。
お笑い芸人の又吉が、
「本屋に行くと自分の必要としている本が
光って見える」
と言っていたのを思い出した。
さすがに私には光っては見えなかったけど、
ちょうどその時の自分に合っている本と出会えたので、本屋さんマジックみたいなことが確かにあるんだなと感じた。
こうして書いてると、
本屋さんに行きたくなってきた。
今度は本が光って見えるかもしれない。
おわり。