【#わたしのかばん】わんこのかばん
最近、ニンゲンが荷造りをしている。
いそいそとリュックに詰め込んでいる。
お散歩グッズではなさそうだ。
ニンゲンはいそいそしたり、
突然、僕をぎゅうっと抱きしめたり、
抱きしめついでに僕の匂いを嗅いでいる。
だから荷造りは一向に進まない。
ニンゲンに喝を入れる為に、
リュックの中を覗いてみる。
ぺたんこになるフードボウル。
ぺたんこになるケージ。
いつものごはん。
いつものトイレシーツ。
などなど。
「防災グッズ」というらしい。
僕的には、何か忘れものがないか気になる。
おやつとか、おやつとか、おやつとか。
ニンゲンは愛犬手帳を作るそうだ。
僕の住所や、僕の性格をせっせと書いている。
荷造りはさておき、手帳に貼る僕の写真を選んでいる。
とびきりイケメンの写真でお願いします。
ニンゲンは、僕の首輪にも住所を書いた。
「もしもの時、迷子になったら、僕のおうちはここですって言うんだよ」
もしも僕が迷子になったら、
困るのはニンゲンの方なのになぁ。
「もしもの時は、絶対に守るからね」
そう言ってニンゲンは、わんわん泣いた。
時々、ニンゲンはこうなる。
僕はニンゲンをよしよししてあげた。
🐕🐕
「なんとかリュック」は完成した。
ニンゲンと僕は、おやつを食べた。
一息ついて、ニンゲンとお散歩に出掛けた。
今日は違うお散歩道にするらしい。
ニンゲンはなんとかリュックを背負って、
地図を見ながら、はぁはぁ歩いて、
「ちょっと重たいから中身を見直さなくちゃ」
と言っていた。
僕は、おもちゃを入れた方がいいと思います。
てくてく歩いて、小学校に着いた。
「避難所」まで歩く練習をしたらしい。
小学校のお庭で、小さいニンゲンがボール遊びをしていた。
ちょっと期待した。
でもボール遊びはせずに帰った。
「流石に疲れました」と言って、
ニンゲンはコンビニでジュースを買った。
レジでおつりを寄付してきたらしい。
良い心掛けだ。
ニンゲンはジュースをぐびっと飲んで、
僕たちは真っ直ぐおうちに帰って、
ばたんきゅうした。
僕はちょっとお昼寝したかったけれど、
ニンゲンが抱っこしまくってきた。
「ケージに入る練習しないとね」とか言いながら、僕のほっぺがむぎゅうとなるまで抱っこされた。
ニンゲンは抱っこのついでに、僕の匂いを嗅いでいるのはお見通しだ。
僕はおりこうなので、抱っこはお手のものだけど、ニンゲンは何かと言い訳をみつけては抱っこしてくる。
実は、僕もニンゲンを抱っこしたい。
ニンゲンはちょっと大き過ぎるので、
抱っこの代わりに、ペロペロしたり、
お膝に顔を乗せて眠ったりしている。
たまにガウガウしてしまうけれど。
ちゃんとニンゲンに伝わっているかなぁ、と思う。
ニンゲンはどうしてニンゲン語しか喋れないのだろう。
ニンゲンに言葉が通じたらいいなぁと思う。
僕は、お昼寝ベッドまでニンゲンを連れて行った。
はやくねんねしましょうね。
ニンゲンは僕のベッドの隣りに座った。
ちょっと通じたかもしれない。
🎒 おしまい 🎒
🐈🐈
📖メディアパルさんの募集企画『 #わたしのかばん 』に参加しました。
かわいいイラストは、なかごみちかさんからお借りしました。(ありがとうございます!)
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