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哲学パラドクスと気の毒な動物たち

さあさあ。寄ってらっしゃい見てらっしゃい。まいどおなじみパラドクスです!みなさんを素敵な思考のラビリンスへいざないます。頭がこんがらがるのもまた一興。全国の背理・逆説ファンのみなさん、とくとご覧あれ。

パラドクスって何かって?ああ、まずは辞書を引こう。

ーパラドクス【paradox】一般に正しいと思われていることに反することがらをいう。〈背理〉〈逆理〉〈逆説〉などともいわれる。語源的には,ギリシア語のpara(超えた,外れた,反した)とdoxa(考え,通念)の合成に由来する。(後略)出典:株式会社平凡社世界大百科事典 第2版よりー…ってわけだよ!よくわからないと思うけど。百聞は一見にしかず!

そんなわけで、まず登場いたしますメンバーは、みんな大好き【シュレディンガーの猫】さん!ラノベでお馴染み、パラドクス界きっての有名人。ちょっとインテリなおじさんは酔いが回ってくると「シュレディンガーの猫は〜」とかなんとか、飲みの席で言ったりすることもありますね〜。

「にゃーん…」

さて、元気にご登場いただいた猫さんには、早速ですが箱のなかに入ってもらいます!ふたをしちゃいますね〜。
実はこの箱、タネも仕掛けもございまして、ランダムで致死性のガスが発生するんですよね。


さて時間がたちましたね。箱のなかの猫さんは、はたして生きているでしょうか死んでいるでしょうか。
このとき、箱を開けて中を観測しないうちは、生きている猫と死んでいる猫が50:50の確率で存在するんです。
つまり箱の中の猫さんは、ふたを開けて観測するまで、
生きてもいないし、死んでもいないんですよね!


死んでたら悲しいなあ。まあ、死んでたら猫はその都度補充するんですけどね!
わたくし、こうみえて猫好きだから心が痛いんです。
えっ動物愛護団体が来たって?にげろー!


…ふう、もうここまで来たら大丈夫でしょう。お騒がせしました!急きょ会場を変更いたしまして、お次は【無限の猿】さん。なにやらタイプライターに向かってけんめいに文字を打ち込んでいるようですが?

無限の猿「ランダムに文字列を作り続ければ、
どんな文字列もいつかはできあがるんだって!
『猿がタイプライターの鍵盤をいつまでもランダムに
叩き続ければ、シェイクスピアの作品を打ち出す』って言われてるんだよ。だから、いつまでもランダムに叩き続けているんだよね」

このままでいいのかいけないのか…
無限の猿さん、無限にがんばってくださいね〜!


さあ、次にご登場いただくのは、【アキレスと亀】さん。

人間と亀という、異色のコンビですね〜。アキレスアンドカメ!某事務所でデビューしたらどうですかねえ。なんでも人間のアキレスさん、めちゃくちゃ足が速いんですって?

えっ、徒競走するんですって?カメと?足の速い人間が?なんで?おとな気ないっていうか、人間気ないっていうか…。人間気ってなんでしょうね!?

ああ、亀さんハンデをもらったんですねぇ。よかったよかった。

亀さんのほうは、いくらか進んだ地点Aからスタートするわけですね、ふむふむ。あれっ、亀さん意外に自信ありげ?

「こいつは勝てるぞ!なぜなら、アキレスが地点Aに達した時には、
亀はアキレスがそこに達するまでの時間分だけ先に進んでいる
(地点B)わけ。アキレスがこんどは地点Bに達した時には、
亀はまたその時間分だけさらに先へ進むわけ。
この考えはいくらでも続けることができ、結果、
いつまでたってもアキレスは亀に追いつけないわけ。」

…そんなアホな!?

さてさて!オオトリは、【ヘンペルのカラス】さん!トリだけにね!あっはっは。カラスといったらトレードマークは真っ黒の羽。今流行りのヴィジュアル系というんでしょうか。ダークな魅力であふれてますねぇ〜。
えっ、カラスがすべて黒いとは限らないって?あと、ヴィジュアル系はもう流行ってないって?

ヘンペルのカラス「いかにも。『すべてのカラスは黒い』ということを証明するには、『すべての黒くないものはカラスではない』ということを証明すればいいのである。
そのために世界中の黒くないものを調べ、そのなかにひとつもカラスがないことをチェックすれば、証明することができるのである。
つまり、カラスを一羽も調べずに、それを証明できるのである。さあ、行くのだ…!」


そんないきさつがあって、私は、世界中の黒くないものを調べる旅に出たのである。



#とは  というタグは、好きなものの魅力を伝えるタグだそうです。そこで私の好きな、哲学パラドクスの魅力について書きたかったのですが、どうしても堅苦しくなってしまう。そこで、伝わりやすいように(?)ショー仕立てにしてみました。

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