〔詩〕雛流し
遠くなる
会いたかった人も
言いたかった言葉も
追いかける情熱はない
痛むほどの後悔もない
ただ
捨てきれない過去が
薄い膜のように不意に張り付いて
息ができないだけ
遠ざかる光
もう風の音も聞こえない
叶わないことばかり漂う海に
ひとり沈んでいくのは私
海底はいつも夜
光なんて初めから届きはしない
遠くなる
会いたかった人も
言いたかった言葉も
追いかける情熱はない
痛むほどの後悔もない
ただ
捨てきれない過去が
薄い膜のように不意に張り付いて
息ができないだけ
遠ざかる光
もう風の音も聞こえない
叶わないことばかり漂う海に
ひとり沈んでいくのは私
海底はいつも夜
光なんて初めから届きはしない