プレイヤー心理が面白さを作る3Dダンジョンゲーム「両手いっぱいに芋の花を」
タイトルの可愛さに惚れていわゆる「ジャケ買い」した一本。絵柄も親近感のわくビジュアルでとても馴染みやすかったです。
ストーリーは土壌汚染がすすんだ大陸で作物が育たなくなり、プレイヤーは調査員として、ダンジョンの奥に眠っていると言われている、「どんな環境でも育つという錬金術師が作った特別な種を探す」というもの。
ダンジョンは1人称視点の3Dダンジョン。3Dならではの仕組みもあって、迷宮という意味がひしひし伝わります。見えないとこ曲がったら下に落ちた、ここどこや!?って感じです。
ダンジョン内には仕掛けがたくさんあり、少しずつ謎を解いていきながらすすみます。
スイッチを押したりドアを開けたりしながら、「ここ繋がるんだ!」という発見が多く探索の楽しみもあります。
このゲームでは地下ダンジョンで生計を立てている業者も多く、いわゆる装備を売ってくれる「武器屋さん」はありません。物資が不足しているみたいなので、買えても「穴のあいた盾」など頼りないものです。
強い装備はモンスターを倒した素材で交換するのが基本。しかもおいそれと手に入らないのですが、ダンジョンは一回で攻略できるほどやわではないので、往復するのが肝。
拠点から行ったり来たりを繰り返すうちに、いつの間にか装備が作れるようになり、戦闘が楽に楽しくなってきます。
ダンジョンはシンボルエンカウントで、モンスターは決まった場所に立っています。片っ端から挑むのもよし。ダンジョンの仕掛けが進んでいたのなら、回避することも可能。やりたいか、やりたくないか、どちらでもOKな感じがやさしい。
戦闘はターン制。行動するために「スタミナ」を消費します。何か行動を起こせばスタミナが減り、0になると何もできません。ここぞというときに行動できなくなるので、スタミナ管理にはご注意を。
「構えなおし」をすると攻撃もガードもできませんが、スタミナは回復します。
このゲーム、何がすごいって、相手の行動情報が全部わかるんです!「誰が・何で・誰を・狙っているか」が全部。しかも「コール」すると、相手の持っているスキルから、対策方法まで全部網羅。
たとえば、手前にいる防御力の高いソルジャーに攻撃が集中している、ならば、ガードでやり過ごし、残りのメンバーで攻撃する。
または回復する、今後のことを考えて早めに「構えなおし」しておく、などの戦略が立てられます。
ターン毎に対策を立てて、思い通りの展開になると、オレあたまいいのかも?とか思いますね。カンニングしたようなものですけど。
ボス系でよくあるのはゴリ押ししようと思ったらスタミナ切れを起こしてしまい、ガードもできなく泣く泣く全員「構えなおし」しなくてはならなくて、そんな時に限って強力な全体攻撃仕掛けられたりして全滅。のパターン。これは待ってました!と言わんばかりの相手の思うツボでしたね。あかんあかん。
で、でですよ。
相手の行動やスキルの発動タイミングが分かりきってて、その通りにことが進むんかって言ったらそうじゃないんです。…なぜかって??
「ここはもうゴリ押しだろう!」ってプレイヤーは思うんですよ!
明らかなレベル差がある相手にわざわざ防御します?
あと一撃で倒せるモンスターに、構えなおしします??
しませんよね!?
それにダメージ覚悟で攻撃したり、痛い思いしてでもHP削らなきゃいけない時が来るんですよ!そういう時にどれだけ判断できるかが、このゲームの面白いところ!
彼は狙われていて、回復手段もそこを尽きた。このターンでやられてしまうが、もう満身創痍でやれるだけやった…。あとは、任せろ!
みたいな脳内ストーリーが出来上がっていくんです。そうなるとキャラクターに愛着が湧いて、この子大事にせなあかんなぁ、と思うようになります。
しかし!モンスターもやるんです!
こちらはレベル9。相手は2。どうみても格下だったので、「ナメてかかってもお釣りがくるわ」と調子に乗っていたある日。僕は画面をみないでボタンだけ連打してDSのソフトプレイしながら、そそくさと終わるのをまっていたところ…。
「なんかいつまでも戦闘終わらないなぁ」と画面確認したら魔法使いだけ瀕死で立ってて残りのメンバーは息絶えてて。
何があった!?と慌ててキャプチャー撮って動画確認したら相手は「回避70」というスキルを連発していて!ことごとく攻撃を交わして反撃していたのです!次のターンで全滅でした。
もうレベル差の話じゃないですね!明らかな戦略上の勝利!
戦い方によってはレベル差も関係なし!ってことですな。
片手間でプレイしたツケですわ。
調査員は最初拠点がありません。この町に移住し、ダンジョンに挑むことになります。町は荒廃し、初めは使い物になりません。
調査員はプレイヤーがエディットして登録することになります。お好みで作りダンジョンに挑みます。キャラクターが増えていくと、拠点が賑やかになり、楽しそうにしていますが、それぞれが好きなことをやっているのが和む。
本を読んだり、リュートを弾いたり料理作ったり。険しいダンジョンでの仕事ですから、めっちゃプライベートな瞬間。他のゲームでも宿屋の中ではこういう光景があったりするのでしょうか。なんとなく、会話もないし、仲は良くはなくてドライな感じも個人的には好きですね。
プレイヤー心理がゲームを面白くします。そういうゲームってそうそうあったことないかも。あったかみのあるゲームですが、中身は骨太で手ごたえがあるところも、何かと考えさせられますね。
食べ物も現実には無限にあるわけではないですから。
それに「種」ってところがミソ。これから「育てなければいけない」のですから。
楽園のように永遠に出来上がっている実を探している展開になりそうですが、そうじゃないんですね。一からみんなで育てようってことでしょう。
僕はプランター栽培もままなりません。
農家さんてほんと尊敬します!
今回のお話はおしまいです。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
コケでした〜。
ゴリ押しします??
守りに徹します??
ダウンロードはこちら!!
「両手いっぱいに芋の花を」
サポートいただけるなんて奇跡が起きるのかは存じ上げていませんでしたが、その奇跡がまさかまさかに起きました!これからありがたくゲームのオトモ代(コーヒーとかお茶)いただけると大変喜びます。サポート設定ってあなどれないぜ…。