通勤訓練日誌その3

きょうはパートナーの体調が思わしくなかったので、午前中は一緒にごろごろして、午後から出勤という形に。今日は愚痴とその解説がメインに。


今までの擬似出勤では、午前中でも時間的にはそこまで社内の人が多い時間ではないので、実は擬似出勤中に社内の人に会う事は少なかった。

しかし、昼過ぎということもあり、ランチに行く人や外訪にでる人など、いつもより会いやすい可能性のあるタイミングだったと言える。

実際、数名とすれ違ったものの、特段大きな違和感はなく、強いて挙げるならオフィスタワーのエレベータで緊張したぐらいで(動悸が強まった)特段問題なく喫茶店まで出勤できた。


パートナーが体調不良になった原因はどちらかというとストレス性で、ベテランやリーダーレベルの人が対応しきれなかった顧客をなぜか回されたという点が発端だった。普段なら文句は言いつつもそこまで疲弊することはないため、結構心配して吐き出しに付き合ったつもりだったが、話をしているうちに「人の善意に頼り切った制度設計」がそもそも悪なのではないかと思い始めている。

休日出勤に関してがわかりやすい。ルールがあるのは月2回は出ましょう、程度で、ヘッドカウントから考えると月3回の人がいないと回らない際、誰が出るかということはメンバー同士の「相談」に任せられている。家庭があったりプライベート重視型の人は下を向き、結局いつものメンバーが出社している光景がある。

本人たちは出勤に対しては特段嫌気はないのだが、問題なのは平日に振り替えを行う必要があるという点である。平日は企業側が大きく動くこともあり、不在は大きく翌日以降の業務負担になる。無論引き継ぎを行なって代理対応はするものの、代理対応でしかなく、クライアントと信頼関係もないただの代理が出来ることなどたかが知れている(これは力量の問題ではなく信頼関係の問題である)。


また、休日にしかカウンセリングにこれない人は、結局企業の平日の面接に参加できないことが多く、結果的に休日のカウンセリングは短期的には有効カウンセリングになりづらい。


それでも休日にカウンセリングが行われる理由はいくつかあると思うが、私は下記だと分析している。

①競合は土日関係なくシフトでカウンセリングを回しているため、そことブランド的に差別化されないようにしている(日・祝を休みにしているのは温情か)

②人材紹介業は工程管理である。そのため、マクロな目線で見ると、常にインプット(媒体への登録)からアウトプット(ご支援人数)までの確率は景気を問わず一定の数値となる。となると、マーケットが拡大するなか、投資家やHDに対してのアウトプット目標を立てた際、そこから機械的に逆算したカウンセリング数を求められ、それをヘッドカウントや営業日日数で逆算した結果、休日のカウンセリング数が一定数求められる。


①は気持ちは分からなくもない。実際、個人対個人のサービスになるため、土日、下手すると24時間やってるんじゃないかと勘違いしている人も多い。土曜日に連絡してくる人も、担当が休んでいることを想定していないような口ぶりだった。競合は仕組み化が非常にうまく、カウンセリングだけをする人と、実際にマッチング、サポートを行う人が分離している。そのため、一気通貫して担当できるという強みが弊社にはあるものの、担当一人当たりの負担は当然増える。そこを売りにしていることもあるため、今後ここの制度を変えることも無いと思う(私自身、この制度自体には特段違和感はない)。


②はなかなかうがった意見だが、一定納得感もある。ただ、それはあくまでマクロに考えるのが好きな人とか、実際そのフィールドで仕事をしている部長クラスや企画(バックオフィス)レベルの話であり、目の前の顧客に対応している身からすると、「意味のないカウンセリングをやらされている」というモチベーションの低下につながってしまう。


制度でどうにかすべきという意見もあると思うが、多分それをすることは好まないだろう。実際、休日出勤をがんじがらめに制度化すると、必ず現状より厳しい勤務形態になる人が出てくる(上述した、下を向いているひとたちだ)。カウンセラーの頭数が減るということは、死活問題である。このビジネスはカウンセラーの数を揃えれば揃えただけ、儲かるシステムだからだ。だから、そのあたりは現場に丸投げしてなあなあで済ませる(表現は悪いが・・・)感じでなんとか運用しているというのが実態だろう。

人材のビジネスモデルはここ10年大きく変わっていない。それを考えると、このビジネスモデルにも無理がきているのではないかと思う。

私は企業の管理会計等は詳しくない。また、人事制度ならびにモチベーション管理、組織開発に関しても素人である。

そのため、具体的にどうしたら、ということは言えないのだけど、カウンセラーの評価体制の変更を志向していくべきだと感じている。転職という点ではなく、人生に関わる面でクライアントと関わっていくという姿勢を打ち出していることも考えると、サポート人数と金額を追いかけさせ続けるのはそろそろ無理があるんじゃない?

そんなことを考えている。


・・・とまぁ、ここまでがいつも考えていることで。

よく上司から(ここまで大きな話でなくとも)「そこまで原因がわかってるなら、それをどう改善するかになんで頭使わないの?」と指摘された。

私は問題を解決することに興味がないわけではない。原因がわかれば自ずと解決策も見えてくる。

ただ、私がより関心があるのは、問題の原因の、さらにその構造やそれが生まれる風土、背景、およびその解釈学なのだけども。

ある意味、より抽象化した問題に興味があると言える。

キャリアの話だと、そもそもキャリアの構築についての理論の背景にある認知言語学とか心理学とか哲学とかそのあたりまで突き詰めたい感じである。


世の中の具象に起こる課題については、それを解決するのが得意で好きな人たちに任せたい。

そんなこと言っているから、大学の同期から社会不適合者扱いされるわけなのだけども



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