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『シリアの戦場で友だちが死んだ』の感想
『シリアの戦場で友だちが死んだ』/桜木 武史、武田 一義(漫画)
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経済合理性を全く考えずに戦場に取材に行く、ジャーナリストの桜木さんの
戦場を実際に経験してみたルポ本。
内容がすさまじい。(ーωー;
たまに、読んでいて釘付けにされる本があるけれど、この本が正にそれで
した。
序盤から、いきなり被弾して死にかけたりして、「何だそりゃ」って感じ
なんだけれども、その後もシリアに行って最前線で自由シリア軍(反政府側)に従軍ジャーナリストとして、非武装とはいえ参加しているって、
内容的にツッコミどころが止まりません。(>ω<;;;;;
普通、もうちょっと安全なところから取材するものなんですけど。
(戦場後のがれきとかをパシャパシャ撮ったりするもんなんですけど…)
最前線で、死と隣り合わせの状況で、前線で戦ってる兵士の皆さんと
衣食住を共にしてるって。(ドユコト…?)
内容的に、今まで見た戦場ルポ物の中で一番リアルで読みごたえがありま
した。
シリア内戦の、別の側面が観られたというか。
シリア内戦って、『A軍側とB軍側が対立して争っている』とかいうような
単純なものではないんですね。
もっとこう、A,B,C,D,E,ぐらいの多種多様な勢力があって、それがお互いに憎みあいながら、ぐっちゃらごっちゃらになってるというか…。
(よく分かりました。(ーωー;)
「それでも政府側に、いろいろ問題はあれども大義があったという話なのかな…?」と、私は思ったんだけれども。
「いや、それもどうなのか…?」とおもってしまうほどに、状況がカオスである、あったのだということが、現地の自由シリア軍の方達の話を聞いて
いて分かりました。
こういう本を読んでると、何ともいえないフラットな視点が身に付きますね。
それはそれで、21世紀を生きる上で必要なものの観方なのではないので
しょうか。(現実って何だろう)
良書だったので、オススメします。(ーωー*