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猫宮
2021年11月24日 23:13
窓硝子を弾くと、こきんと冷たい音がした。 窓の外は晴れていて、もう抜け落ちかけた橙色の葉が風に揺れているのが見える。ここから見える世界は暖かそうな陽だまりに包まれているのに、指先に触れた窓硝子は冷たかった。「外見てどうしたの?」 彼が両手に持ったグラスにはレモネードが入っていた。彼の歩幅に合わせて透けたイエローの水面が、上下に揺れている。四角い氷がグラスの淵にぶつかって、からかろと鈴