描いて、見せて、伝える スゴい!プレゼン
以前参加したグラフィックレコーディングのセミナーで、おすすめ書籍として紹介されていたこちらの本。
「グラレコ」で「描く」となれば、絵の描き方がメインかと思いきや、
そこにあったのはプレゼンの極意。8割が「伝える」についての話です。
プレゼンとは限られた人間だけが前に立って話をするわけではなく、誰でも毎日、何かしらのプレゼンをしています。
「簡潔に報告できるようになりたい」「きちんと人に説明できるようになりたい」という身近なところから「人を動かすプレゼンをしたい!」までをカバーする良書。
私は今回
・転職を機に、さらにたくさんの人と関わり合いながら仕事をしていくことになるだろう
・登壇機会をいただくようになり、自分に足りないものが見え始めてきた…気がする…
ということで、この本を手に取りました。
本書の概要
本書ではプレゼンの最終目標を「聴衆に自分と同じようなものの見方をしてもらうこと」としており、そのために「ショー&テル(見せて、話す)」ことが大事だとしています。その「ショー&テル」を行うための3つのルールがあるといい、その3つのルールを細かく紹介してくれています。
3つのルールとは
1:真実で導けば、心が従う
2:物語で導けば、理解してもらえる
3:絵を見せて導けば、頭が従ってくれる
となります。
1:真実で導けば、心が従う
真実には、「データ」に基づく真実、「頭」が知っている真実、「心」が信じる真実の3つがあり、この3つの真実をプレゼンの3要素に基づいて当てはめていく。
3つの要素とは「アイデア」「自我」「聴衆」のことで、“実際に言いたいことは何で”“聴衆に記憶してもらいたい自分とは何で”“聴衆をどう変えたいのか”を考えてプレゼンを行うとよいとしています。
2:物語で導けば、理解してもらえる
ミーティングや基調講演など世の中には様々なプレゼンがあるけど、よいプレゼンには必ずしっかりしたストーリーが組み立てられているそうです。
ストーリーは大別すると4つあり、その4つですべてのプレゼンに対応できるとしています。4つのストーリーとは「報告」「説明」「宣伝」「ドラマ」。
『報告』=データを伝え、聴衆の情報を変える
プレゼンの種類:共有ミーティング、四半期報告など
聴衆にしっかり記憶に残るデータを伝えるためには「6種類の思考」を利用する
話題は“誰なのか、何なのか”、それがあるのは“どこ”で、起こるのは“いつ”か、“どのくらいの量”で、“どのように”影響しているのか、そしてこうなったのは“なぜ”か。
『説明』=やり方を示し、聴衆の知識を変える
プレゼンの種類:論文発表、調査報告、授業・講義など
素晴らしい説明は、段階的に新しい知識を与え、聴衆を新しい段階へと導いていく。
そのためのステップが以下
・登り口:現在地の把握と目的地の共有
・ロードマップ:目的地に着くためのルートの共有
・段階:目的地に向かうためのステップ
・目的地:最終到達地とその確認
『宣伝』=解決策を提示することで、聴衆の行動を変える
プレゼンの種類:面接、商品・サービス発表など
宣伝とは全員に共通する問題を取り上げ、共通の土台を確立した上で、その問題の新しい解決策と提示すること。宣伝に説得力があれば、聴衆は提示した解決策を採用し、行動を変える。そのための要素が以下。
・ワインドアップ:現状を要約し、共通の土台を作る
・ハードル:共通した直面している問題を紹介
・ビジョン:問題の解決策の提示(複数の選択肢を提示(良案と捨て案))
・終結:提示した選択肢が唯一のものである理由を示す
『ドラマ』=聴衆に物語を体験させ、聴衆の信念を変える
プレゼンの種類:訓話・談話、TEDトークなど
人々を熱狂させる物語には共通の構造がある。
・ある晴れた日→課題→悪化する危機→最悪→発見→上昇→帰還→教訓
日常からどん底へ、そこから上昇といった急激な変化を物語に加えることで、聴衆の心を揺さぶる
3:絵を見せて導けば、頭が従ってくれる
人間の感覚の中で、最も大きな影響を与えるものが視覚で、その視覚に刺激を与えるために、絵が有効であるとしています。
この絵の使い方、書き方については、本書の絵の章と、すべてのページを見ていただくのが最もわかりやすいと思いますので、ぜひ読んでみることをおすすめします。
まとめ
その他、プレゼンで緊張しないための方法などについても解説されており、資料作りから、心構え、そして話し方など、プレゼンに必要な要素を一気通貫で学ぶことができます。
プレゼンの種類に応じてスキルがまとめられていたりするので、プレゼンの逆引き辞書的な使い方ができる、肌身離さずもっていたい一冊と言えるかも。
なにより、イラストのもつ力と、その書き方が簡単に学べるのが素敵です!特別なプレゼンはもちろん、日常的な会議など様々な場面で応用していきたいと思いました。
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