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レーエンデ国物語月と太陽 読書感想文

今日はこちらの続き。
レーエンデ国物語 第2幕 月と太陽 を休みの日に図書館通いつめて読み終えました。


ネタバレなしの感想を言うと、無闇矢鱈とおすすめ出来ない物語。薦める時は人を選ぶ。
あと、本屋大賞を取ったことでアニメ化されるんじゃないかないかと噂されてますが、映像化は厳しそうだな……と思う。
物語において登場人物が1番大事!という方にはおすすめしない。
反対に登場人物はストーリーを彩る為の装飾の一部に過ぎない、という方にはおすすめ出来る。





以下、ネタバレ注意!!!!





ルチアーノの兄ちゃんの描写がしっかりと欲しかったわ!!!
余りにも最後にポッと出てきて「弟が自分みたいな目に合わないように我慢してきたのに!裏切り者!」って言われてもよく分からんかった。 
せめてどれだけ仲良し兄弟だったのか、という2人が会話してるエピソードくらいくれよぉ。読者からしたら謎に弟に好かれてたけどお国に攫われちゃった兄ちゃん。くらいにしかうつらん。
イシドロ(兄ちゃんの手駒)使ってもっとこう、メッセージ送るとかそういうの出来ただろうに。 

登場人物8割がしんどい。
主人公が義理の姉として慕ってた美人な娘が捕まってレイプからの殺害される描写とかも普通にある。
娼婦が出てきて客との営みのことも出てくるし、集団レイプされました、みたいなことも出てくる。
そんで、さっき書いた兄ちゃんも攫われた理由が「帝国の教帝が男色好で、兄ちゃん見て一目惚れしたから」というまぁ反吐が出る内容。

これ、前作も若い女の体目当てに結婚を企てる爺さんとか男主人公が視力の弱い女主人公パパの仕事の手伝いをしてたら周りから「こいつら恋人同士♂なんだなー」って勘違いされて冷やかされる描写とかあったので、作者さんは「権力と性欲に溺れる汚い大人×純粋無垢な力のない少年少女」という組み合わせとホモが好きなんだろうなぁと思った。(勝手な妄想だけど、作家って物語に性癖出るよね)
まだあと3巻残ってるけど、残りも似たような話が出てきそう。

そんな中で英雄となった女主人公のテッサはすんごく良心だった。
彼女、戦士なので何百人と人殺してるバーサーカーではあるんだけど、最期まで心が綺麗だった。
「女として生まれたからには愛する人とキスをして世界一幸せな花嫁になりたい」という願望の叶い方が結構意外だったけど、あれはアリです。良かった!!!!
一番の救いでした……ネ……!ほんとに

そんで男主人公のルチアーノ兼ルーチェくん。
この子も心が綺麗だった。
あまりにも真っ白な心を持っていたのでいとも簡単に黒で塗りつぶされちゃったのが辛かった。

前作男主人公のトリスタンが「(自分は病で死ぬのが確定していたので頑なに手は出さなかったけれど)1度くらいはユリア(前作女主人公)の唇を奪っても良かったんじゃないか」って後悔して死んでしまったけれど、まるでその意志を継ぐかのように彼はテッサにキスしたのでそこは全私がスタンディングオベーションしました。
安楽死させる為のキスだったけど……( `ᾥ´ )

他の感想にもあるように、ルーチェが残虐王と呼ばれるくだりの心理表現はもっと欲しかったなー……。
最後唐突に、ルーチェは悪い方に性格変わったよって説明入ったので、びっくりした。
そこからなぜそうなってしまったのか? を考えたらなんとなく想像は出来るけど、ちょっとフワッとしてたな……

前作もだけど、「ページ足りなくなってきたから登場人物のその後は箇条書きにして書いとくね!」みたいな終章なのでちょっとモヤッとする。せめてもう1.2章ほしい。

前作で生まれたけど行方が分からない銀の御子、やっぱりまだ全然何者なのか出てこないで終わった。
城の最上階にいる、100年以上経っても赤子の泣き声を発する、法王が名前を呼んで祈りを捧げると奇跡が起きて願いを叶える……のが判明してたくらいかな。


んで、人物は結構外道だったり悲惨だけど、それでも読ませる力がある文なのはさすがプロです。
5巻発売までに読むの追いつきたいなぁ。どういう歴史に着地するんだろうこれ






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