「吸い込む」かどうかは自分次第。
一緒にいる身近な人(例えば友達)とは考え方や雰囲気が
似てくるそうですね。
それは「同一化」によるものだと、以前聞いたことがあります。
つまり、自分というものは
「自分だけで自分を創り上げてきた」
と思っていても実は違う。
周りのたくさんの人達の存在が自分に影響を与え、
それが自分の中に取り込まれて
自分の中にその人達が存在しているってこと。
実は、中に隠れて生きているんだってこと。
これは、憧れの人や好きな人を自分の中に取り込もうとする働き
と一緒なのだとか。
それで思い出したことがあるんです。
小学生のころ私は、ある一部のクラスメイトから
いじめを受けたことがありました。
恐らくその始まりはこうだった気がする。
小学二年生の時、仲良くし始めた友達がいた。
その子の最初の印象は、とても可愛いらしい顔をしていて
少し恥ずかしがり屋さんだった気がする。
しかし、仲良くなり一緒にいるようになると、
その子が人の悪口ばかり言っていることに気づいた。
「絶対誰にも言わないでね」
この台詞から始まり、悪口を言うのだ。
「絶対誰にも言わないでね」
そう言われたので誰にも言わなかったし、
なんだか言っちゃいけないような気がしたので
誰にも言わなかった。
その後は、他の友達も加わるようになり、
また誰かのことを言い始める。
もともと違和感があった私は、次第に苦しくなっていった。
これっていじめてる?と思うような、
微妙なラインの言動も増えていた。
私は一緒にいるのがもはや限界にきていたので、
なんとなく距離を置くようになっていった。
勇気がなかったので嫌だとはっきり言うこともできず、
ただ徐々に徐々に離れていった。
今考えると、もちろん私の行動も良くなかったと思う。
逆に自分がそんな風にされたらやはり意味が分からず、
怒りがこみ上げてきただろう。
でもその時の私はこれでも必死に行動したつもりだった。
あのまま一緒にいたら、精神が崩壊していたかもしれない
と今でも思う。それ程私は追い詰められていた。
私の中で何かが、
「これ以上一緒にいたらダメになる」
と警報を鳴らし続けていたんじゃないだろうか。
そして離れた結果、いじめが始まった。
少しの間は独りぼっちで、
何をするのも「一人」ということが目立つし恥ずかしいし寂しかったが、
幸いすぐに他の子と仲良くなれたので孤独からは逃れることができた。
しかし、その後もその子とはずっと口をきくことはなく、
時々私の悪口がなんとなく聞こえてきていた。
(思い出すと、私物にイタズラされたりなども続きました。)
けれど一番驚いたのが、その仲良しグループの中で、
時々いじめのターゲットが変わるという事‼‼
(その子のグループはいつも4〜5人で一緒にいた気がする)
今考えても謎です。
だって、仲がいいから一緒にいるんじゃないの??
ちなみに私が最初に仲良くなった子はリーダー格だったようなので、
その子がターゲットになることはないのです。
でもほかのメンバーは違う。
何週間かすると、その中で自分の位置が変わる。
なので外から見ていると、気づくとその中で誰かしらが
ポツンと一人になっている。
「その一人」というのは時々交代するのだ。交代制って…。
なんて不安定なんだろう。
いくらまだ人間関係を構築するには未熟な時期とはいえ、
さすがに意味がわかりませんでした。
でも、私は自ら選んで
「そこから離れたんだな、離れられたんだな。」
と、その時しみじみ思ったのでした。
離れ方は決して良かったとは言えないけれど、
自分が感じた違和感を大切にして行動できた。
これは未だに心に強く残っています。
文頭に書きましたが、
「周りの存在も自分の一部となって、
自分というものを創り上げている。」
そう考えると、私はその時その友達の感覚を
「自分の中に取り入れたくない」「自分の一部にしたくない」
と、心が拒絶反応をしたのではないかと思います。
歳をとり大人になった私は、ある程度の愚痴などに対しては、
それも生きていく上ではそれなりに必要なものであることは
少しはわかっています。
でも、昔の小さな自分はあの時の感じた違和感を大切にして、
その子と一緒にいることを全力で拒否した。
今でもそれは、とても大事なことだったんじゃないかなと思います。
その時はまだ、合わないものを受け入れる準備がなかったし、
理解することもまだ未熟だったし、判断力も足りなかった。
けれど自分が必死に考えて出した答えに、今満足できている。
「周りのたくさんの人達の存在が影響し、それが自分の中に取り込まれ、
実は隠れて自分の中に存在している」
だとしたら、
自分自身でそれを選ばなければならない。
だってそれは、
自分を大切にするためにもとっても大事なことだから。
ではまた。
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