「おむすび兄弟」

あるところに、おむすびが大好きな猫の兄弟がいた。
その猫の兄弟は「おむすび兄弟」と呼ばれていた。

兄弟は「おむすび相談室」というのをやっているのだが
別におむすびに関しての相談を受けているわけではない。

おむすび一つにつき、一つだけ相談を受ける。

ただそれだけのこと。
そしてどんな相談でも受け付けている、という話だ。

まずはここで弟が話を聞く。
基本的に弟が相談を受け、後で兄に相談する。

ちなみに相談料のおむすびは前払い。
これは弟がおむすびを目の前にするとどんな深刻な話でも
頭の中がおむすびのことでいっぱいになってしまい
話が全く入ってこないから…とのことらしい。

そもそも相談料のおむすびをいただいた時点で
すぐさま食べてしまうという。
ただし、ここで食べるのは半分だけ。
残りの半分はほぼ事務所にはいない
兄のために残しておくのだ。

また「絶対に相談は断らない」という噂もある。
恐らくこれは相談料のおむすびをすぐ食べてしまうためであろう。
しかしながらおむすびを支払わないと
どんな相談も一切聞かないという厳しい面もあるとか…

そんなおむすび兄弟は
今日も誰かの相談に乗っている。

「じゃあ前払いで、まずは相談料のおむすびを…」
「あぁ、そうだったねぇ。はい、おむすび一つ。」
「ごくり…ぱく。むしゃむしゃむしゃむしゃっ！おっと、危ない危ない。兄ちゃんの分も食べちゃうとこだった」
「あの～ではこれで相談を聞いてくれるということで？」
「あぁ、そうですね。おむすびも食べ終わったことですし、では相談の方をどうぞ」

ーーーーーー

おむすび兄弟の会話をほんのちょっとだけ覗いてみよう。

「…で、兄ちゃんはどう思う？」

しかし兄は必ずこう言う。

「弟よ、まずは自分の考えを言ってみなさい」

実に兄らしい雰囲気です。
そもそも横になってますしね。

そんなおむすび兄弟は
今日もどこかで美味しいおむすびを求めて
おむすび相談室をやっていることでしょう。

もし相談室を見つけた時は
決しておむすびをお忘れなく。

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《あとがき》

読んで下さった皆さま
ねじりの想像にお付き合いいただき
誠にありがとうございました。

元々このお話は随分前に頭に浮かんだものなのですが
最近になりなぜかふと思い出しました。
それからというもの
おむすび兄弟の想像が止まらなくなったので
とりあえず書いてみることに。

おむすび兄弟は、おむすびの定番のあの白と黒です。
「お米と海苔」
それが兄弟の色と模様になっています。
ちなみに顔のところは海苔を巻き付けているイメージです。笑

弟は兄のことが大好き。
兄も弟のことが大好き。
弟はいつも体のどこかにおむすびのぬいぐるみを隠し持っています。
これは兄が弟にプレゼントしたものです。

…と、おむすび兄弟の説明はここまで。

想像するうちに楽しくなったので
ついイラストや設定まで考えちゃいました。
特に続きはありません。笑
でもやっぱり想像するのって楽しいっ！

最後まで読んでいただきありがとうございました♬

おしまい🐨

ではまた。