体質を知ったら何がわかる?
こんにちは!よもぎです。今日は体質についてお話しましょう。
体質って何でしょうか?Wikipediaでは「人が生まれながらに持っている身体の性質」とあります。いろんな体質診断サービスがありますが、診断してもそれをどう活かせばいいのか分からないこと、ありませんか?
体質を東洋医学的に説明されても、実生活に活かせなければ意味がありません。今回は「体質診断」をどう活かすかを掘り下げていきましょう。
自分の病気を予測できる
体質は以下のように分けられます。
先天的なもの
後天的なもの
外からくるもの
内からくるもの
まず、先天的なものは親から受け継ぐ遺伝のことです。家系的に似た体質を持つことは多いですが、これは簡単に変えられるものではありません。でも、上手に活用すると自分のなりやすい病気も分かります。
例えば、あなたの体質が血虚傾向なら、家族の誰かも同じく血虚体質で色白な人が多いかもしれませんね。色白で血虚体質の人はめまいを起こしやすく、将来的に肺や心臓の疾患を患いやすいので、今からジョギングやヨガなどを習慣づけて心肺機能を鍛えると良いでしょう。
自分の体質に似ている家族の病気や習慣を参考にすることで、将来の自分がどんな病気になりやすいか、どういった対策を取ればよいかが明確になります。
季節の移り変わりに対応できる
後天的な体質というのは、
普段の生活習慣(食事・睡眠・運動)等による身体の内から生じる身体の傾向と
自然(気温・湿度・気圧)等の季節の変動によって外から影響される身体の傾向があります。
先天的になりやすい体質があっても、最終的には普段の生活習慣によって決まります。例えば、先天的に消化能力が得意ではない家系の人がいるとします。普段からよく噛んで、腹八分目で抑えて生活できる人は特に問題ありません。しかし、油ものが好きでつい食べ過ぎたり、ご飯を残すことに罪悪感があるため外食では頑張って食べてしまう人は、消化能力を使いすぎて気虚タイプになったり、消化が追い付かずに溜め込んで水滞タイプになることもあります。
さらに水滞の人は梅雨時期のジメジメとした気候が苦手で、いつもよりも症状が多く出現します。ということは、自分で消化能力が人より弱く、水滞タイプと診断された人は、梅雨時期には特に注意して過ごす必要がありますね。
逆に夏が過ぎて乾燥し始めた秋口には、こういったタイプの人は元気になるので、息抜きに好きなものを好きなだけ食べられるゴールデンチャンスと捉えてみてはいかがでしょうか。
それぞれの体質別の過ごし方は、また別のコラムに書いてありますので、今回はこれくらいにしておきます。このように自分の体質を知っておけば、最も苦手な季節の変わり目に対策をとれるようになります。
体質はどの頻度で変わるのか
今起きている症状が、適切な生活習慣によって改善したとして、体質は変わったと言えるでしょうか?答えはもちろんYESです。ただ、体質というのは状況に応じて常に変化します。
血の気が多い人でも、出産を経て血虚タイプになることもありますし、ストレスが増えれば瘀血タイプになることもあります。もちろん、自分の中でのバランスなので原因や程度は他人とは関係ありません。ご自身の身体がどう変わったかだけに注視し、変化を感じたら体質が変わったといっていいでしょう。
とはいえ、ある程度の指標は欲しいですよね。あくまで参考ですが、生活習慣の改善によって、早ければ3~7日、遅くとも1か月程度で今ある不快な症状に変化が現れると思います。もし、変化を感じられなかった場合は、間違った体質の改善方法だった可能性が高いです。また、改めて診断をし直すか、専門家の力に頼るべきだと思います。
改善したあとは
もしお困りの症状が、生活習慣によって改善したとします。さあ、そのあとは同じ生活習慣を続けていくべきでしょうか?答えはNOです。
東洋医学にはバランスの取れた状態を中庸という表現がありますが、診断された体質というのはバランスの取れていない状態であり、どこかが偏っていることを指します。
例えば血虚の人が血を補う食べ物をたくさん食べて改善したとして、そのまま続けてしまえば血が余り、熱を持ったり滞ったりします。それではせっかく改善したとしても元の木阿弥です。
なので、体質が変化したと思ったら改めて体質診断を行い、身体の情報を常に更新しましょう。また、なぜその体質になってしまったのか原因を把握し、避けることも非常に重要です。
バランスのとれた状態を保つには
とても大きなことを言うと、バランスが保たれているなら何をしたって良いです。しかし、すぐ同じ症状に悩まされることがあれば、その習慣は自分に合っていないですから、思い切って切り捨てた方がよいでしょう。
例でいうと、消化機能の弱い人は冷たいアイスを食べるのは当然NGです。必ず食べるときは熱めのお茶を一緒にとるようにしましょう。もし、それでも腹痛や下痢をするようであれば、アイスを食べるという行為はしばらくやめておくべきです。
このように自分の身体がどんな時にどんな反応をするのか、観察することでこれからの未来が変わるかもしれません。おそらく、皆さんの身体は分かっているんですよね、何をしたらどうなるかを。ただ、現代人はあらゆる情報に侵されていますから頭で行動することが多いと思います。
例えばご飯は3食食べるべきだとか、習慣として教えられますが必ず例外はあります。食欲が無い時は食べるべきではないし、一日2食の方が調子が良いのであればそれでいいんです。
自然は一定ではないのですから、自然で出来た身体もそれに即していくべきというのが東洋医学の根本です。しかし、頭で行動する現代人はもはや何が自然なのかの判断がつきづらくなっています。自分の身体がいまどの状態かを把握する指標として是非「体質診断」を活用してみてはいかがでしょうか。