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DPP-4阻害薬の後発品承認による糖尿病領域MRの影響~プライマリー領域MRの転換点~

こんにちは、Ano(@Ano)です。
x (旧:Twitter):https://twitter.com/neiar77

今回は糖尿病領域(プライマリー領域)MRの将来像を考察していきます。

ご存じの通り糖尿病領域(プライマリー領域)MRの一部はこれから厳しい未来が待ち受けていると想像できます。

高血圧、高脂血症、糖尿病の領域においてプライマリーMRは会社に貢献してきました。しかし製薬企業において大きくトレンドは変化しました。高血圧の領域においてもはや新薬も開発されていない。

上記の2領域と異なり、糖尿病領域はまだ受け皿は多いと思いますが、
キャリアプランの選択や転職などは視野に入れておくべきです。

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①ジャヌビアに後発品が発売される?

衝撃的なNewsが先日飛び込んできました。
朝にx(Twitter)で投稿を読んだときは、衝撃を受けました。

DPP-4阻害薬に初の後発品

”ジャヌビア”は「シタグリプチンリン酸塩水和物」
本来は特許延長が認められ2025年2月~2026年3月ごろに後発品参入予定と考えられていましたが、

しかしサワイグループホールディングス(GHD)の子会社のメディサ新薬から”後発医薬品(ジェネリック)”が「シタグリプチンリン酸塩」として後発品の承認取得されました。

※参考※

新規承認申請においては、新医薬品として承認を与えられた医薬品又はそれに準じる医薬品(以下「先発医薬品」という)と、代替新規承認申請又は承認事項一部変更承認申請においては、変更前の製剤と、それぞれ品質、有効性及び安全性における同等性を確認する必要があること。

異なる結晶形等を有する医療用医薬品の取扱いについて

実際に「水和物」「無水物」と異なる形で先発品、後発品が発売される場合も実際にあります。
特許の件はどうなるか不明ですが、販売される可能性は高いと思います。

②糖尿病治療の市場予測の影響を予想

富士経済は10月9日、国内の糖尿病治療薬市場が2024年に6000億円を突破してピークを迎えた後、25年以降は「大型品の特許切れ」により市場縮小するとの予測を発表した。同社は「大型品」を明らかにしていないが、最も大きな売上シェアとなっているDPP-4阻害薬の単剤、配合剤を指すとみられる。

国内糖尿病薬市場 25年から市場縮小へ DPP-4阻害薬に後発品登場で(ミクスonline)

2026年予測において後発品の影響により大きく減少するという市場予測でしたが、2024年に2年前倒しで糖尿病市場が減少すると予想されます。

この市場予測からも今回のジャヌビアの後発品の発売は想定外と分かります。そのために製薬企業各社に与えるインパクトはかなり大きい。

特にDPP-4阻害薬を売り上げの中心に据えている企業は大きな選択を迫られている。

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【参考】生活習慣病、高血圧領域における各製薬会社の影響

同じくプライマリー領域の1つである、高血圧領域におけるTOP市場・ARB(アンジオテンシンIIAT1受容体拮抗薬)特許切れの際の各社の対応としては下記のような退職がありました。

①アステラス 日本で早期退職者を募集、18年度中に実施 MRも「いくばくかの減少ある」

②第一三共 国内の希望退職募集に513人応募 社員の5%強 オルメテック特許切れ控え

DPP-4阻害薬の後発品参入の影響で希望退職、早期退職を経営層は検討される可能性があります。

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③現在の糖尿病治療薬の版図

<DPP-4阻害薬の市場の大きい企業>

①大日本住友製薬(現:住友ファーマ)
②帝人ファーマ
③キッセイ薬品工業
④協和キリン
⓹三和化学研究所

上記の企業はかなり厳しい現状と想定される。特に譲渡された製品である、かつパイプラインが比較的に少ない、更にDPP-4阻害薬の売り上げが大きい企業
①大日本住友製薬(現:住友ファーマ)
②帝人ファーマ

また上記の企業以外の糖尿病メーカーMRも改めて業界の状況を踏まえてキャリアプランを再考する必要があると間違いなく言えます。

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④糖尿病領域における展望

➊新薬のパイプラインが少ない

国内における開発品としてGLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬以外に新しい市場開拓や医薬品の開発が進んでいない。

これからは配合剤、注射製剤合剤がメインに販売される。
また将来的に市場減少していくと想定すると資金を投資して回収できる可能性は少ない。

そのために画期的な新薬は販売される可能性は限りなく低いです。
そのためイメグリミンが最後の新規作用機序と言えるかもしれない。

➋糖尿病における治療満足度が高い

アンメット・メディカル・ニーズに対する医薬品の開発・承認状況 —2022年の動向—

糖尿病において治療満足度と薬剤貢献度は高血圧と糖尿病などプライマリー領域のパーセンテージ共に非常に高いです。

そのために現在の提供されている医薬品で糖尿病治療は最低限コントロールできていると言えます。

上記の➊➋の理由から当然これから下記のような流れになります。

想定されるこれからの糖尿病領域、プライマリーMRの将来

①現状の糖尿病領域の製品で満足されている医師が多い
②企業は新薬開発しない
※後発品参入により更にDPP-4阻害薬の売上が下がることで、より投資的な目線で投資効率をシビアに見直す(特に人件費)
③医療費の負担軽減のために後発品を選択する可能性が高い
④医師はMRと面会するメリットが少ない、また面会できる医師数が減少している
⓹SOV(シェア・オブ・ボイス)が必要なくなる
⑥MR、管理職の数は人件費の削減のために早期退職、希望退職の可能性がある

これからは糖尿病領域に限らず将来的な業界のトレンドを把握することが必要です。

数年後には現在置かれている状況がどのように変化するか未知数のために一度、求人サイトの登録とエージェントの面談をおすすめします。

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