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誰でも使える交渉術! 『Yes No の使い方』

今回はYES ・NOの使い方について!

交渉における「はい」「いいえ」と「Yes」「No」の使い方については気をつけなければなりません。
日本人は、通常のコミュニケーションにおいて相手への配慮や調和を重視するため、意見に合意していないのに、言っていることは理解しました、または単に、相槌の意味で「はい」を多用する傾向があります。
これが国際的な交渉の場では誤解を生むことがあります。

1. 「はい」が同意とは限らないことに注意

日本語では「はい」と答える場合、相手の言ったことに対して「聞いています」程度の意味で使うことが多く、必ずしもその内容に同意したわけではあないですよね。しかし、英語圏の相手は「Yes」と答えることが一般的に「同意」を意味するため、日本人が「はい」と答えると、相手がそのまま「承認」されたと誤解する可能性があります。
これは、よく聞くことかもしれません。しかし、実際の日本人と欧米人等の会議や交渉の場面で、合意していないにも関わらず日本人がYESと言ったために、相手は合意されたものとして話を展開していく場面を何度も見たことがあります。

気をつけるべき点:

  • 「YES」と、反射的に答える癖を直しましょう。また、答える際には、相手がどう解釈するかを考え、必要であれば追加の説明をする。 例えば、「はい、理解しましたが、もう少し検討させてください。」のように具体的な条件を付け加えると誤解が少なくなります。

2. 「いいえ」と「No」の違いに敏感になる

日本人は、否定する際に直接的な「いいえ」を避け、婉曲的な表現を使うことが多いです。たとえば、「少し難しいかもしれません」「検討します」といった表現は、日本人同士であれば「断っている」というニュアンスが伝わりますが、英語圏の相手には「まだ可能性がある」と捉えられてしまうことがあります。

気をつけるべき点:

  • 遠回しな表現を使う場合でも、相手が「No」と受け取るか確認する。 日本人特有の婉曲な拒否表現が誤解を生まないように、たとえば「I appreciate your offer, but it might be difficult for us to proceed under the current conditions.」のように具体的に状況を説明することが有効です。
    「NO」と言うことがニュアンス的に強すぎて言いづらい、と感じる日本人も多いかもしれませんから、このようなフレーズをいくつか覚えておくと良いですね。

3. 日本の「曖昧さ」と海外の「明確さ」のギャップに注意

日本の交渉スタイルは、相手の気持ちや立場を尊重するため、曖昧さや遠回しな表現を好む傾向があります。しかし、英語圏の交渉では、相手が明確で直接的なコミュニケーションを期待するため、曖昧な言い回しが誤解を招き、交渉を遅らせる可能性があります。もちろん、国によって曖昧な表現を好む傾向はあり、幅がありますが、少なくとも、日本人は曖昧表現を好むことについては世界一だと思っていて良いでしょう。また、こう言われると、「直接的」な表現と「乱暴な」「失礼な」言い方を混同してしまう日本人もいるので、ここには注意が必要です。しかし意見は明瞭でなければなりません。すぐに決められない場合でも、特に、重要な合意や決定事項は、曖昧な表現を避け、明確に意思表示を行うことです。 たとえば、「We are still considering this proposal, but we expect to give you a final answer by the end of the week.」のように、明確な期限や次のステップを提示することが重要です。

4. 確認のプロセスを忘れずに

日本では、相手に対する信頼が高く、細かい確認をしないまま物事を進めることもありますが、海外の交渉では、合意内容や次のステップについて双方が同じ理解を持っているか確認することが極めて重要です。英語圏の相手は、交渉の途中で出た「Yes」を、すでに確定したものとして扱う場合が多いため、誤解が生じることがあります。

  • 「Yes」や「No」を使う際には、合意内容や意図を相手に確認するプロセスを大切にする。 たとえば、「Just to clarify, when we said 'Yes', we meant that we agree in principle, but the details are still under discussion.」など、誤解を防ぐための追加の確認が必要です。

5. 面子を重視する日本的文化と直接的なフィードバック

日本人もそうですが、東洋人は「面子(メンツ)」を重視し、相手を傷つけないようにすることを優先します。このため、相手の提案に対して直接的な拒否や批判を避けることがあります。しかし、英語圏では、フィードバックや意見の違いを率直に伝えることが交渉の一部として受け入れられています。これに慣れていない日本人は、相手の直接的な言い方に戸惑いを感じたり、逆に自分が遠慮して伝えられないことがあります。

  • 相手が求めるフィードバックに対して、遠慮せずに率直に意見を述べることが求められる場面では、配慮しつつもはっきりした意見を伝える。 たとえば、「I think this proposal has some merit, but we see potential challenges in areas X and Y. Could we explore alternative options?」のように、相手の提案を尊重しつつ、具体的な改善点を提示することで、建設的な意見交換が可能になります。

日本人として、交渉の際には相手の文化的背景やコミュニケーションスタイルを理解し、適切な表現を使うことが重要です。特に「はい」「いいえ」と「Yes」「No」の違う言葉くらいに思っていていいくらいです。
違いに注意し、明確な意思表示と確認プロセスを意識することで、誤解を避け、スムーズな交渉を進めることががきるでしょう!

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