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幻になる前に観て欲しい最高の映画イン・ザ・ハイツ

【運命の出会い】

最初、この映画は予告編を見ても英語版しかないし、口コミもイマイチで、ピンとこなかった。結局その時は、観賞後に友達と気まずくなるのが怖くて、安定の竜とそばかすの姫を観に行った。

ところが、後日、知り合いにこのイン・ザ・ハイツを勧められた。

その人はまだ観に行っていないのに、絶対的な自信でかっこいい映画だから観に行って!!と言われ、そこまで言われたら気になるよな…と上映時間を調べた。

すると、竜とそばかすの姫と同じぐらいの時期に公開スタートしてるのに、今週末で公開終わりという短い命の映画であることが判明。

慌てて次の日の午前、新宿の映画館で一席の予約をした。

【当日の朝の奇跡】

朝ごはん食べられず、お腹が空いていた。ぎゅるぎゅる鳴る胃はスイッチ長押しでマナーモードに出来ないので、ドーナッツを買った。

会計の時、映画の半券があると10%引きとのこと。

ネット予約の画面を見せた。

御銭をじゃらじゃらさせてお支払いをしていると、「私もその映画観ました!めっちゃかっこよかったのでおすすめです!」と店員さんが突然声をかけてくれた。

そんなことある?!

と戸惑いつつ、二人の人から薦められるなんてそんなにいい映画なんだと期待が膨らんだ。

【4回泣いた。今年一番の記録。】

序盤から泣けた。

歌がうますぎる。

小さな夢というのがキーワードで、登場人物たちは誰も地球を救わないし、大統領にもならない

しかも、移民の話ということで日本生まれの私には肌感覚として少し遠い話

でも、主人公たちの歌に説得力があって、苦しみ悩む姿に泣き、はたまた奮い立つ姿に泣き、計算すると2時間半の映画で30分ごとに一回は涙腺が決壊していた

今まで知らなかった俳優さんたち。こんなにも歌がうまい人がまだまだたくさんいるなんて、アメリカってすごい国だなぁと感銘を受けた。

【耳心地良いスペイン語のサウンド】

元々ラップは、なんとなく苦手だった。

重厚なサウンドと共に汗ばむ野太い声が同時に体を殴るような、ヒップホップっぽい音はなんだか怖いと思っていた。

このイン・ザ・ハイツは劇中歌のラップが目玉と聞いていたので、身構えた。

しかし、聞こえてきたのはラテンの軽快なリズムとパリッとした質感のラップの声

よく聞くと英語とスペイン語が混ざっていた。

夜が100億年先に思える程の労働

という(うろ覚えの)歌詞がすごく好きになった。

ところどころのスペイン語はA1レベルでも単語がわかるレベルで作られていて、ここでその韻を踏むんだと新しい気持ちで聴くことができた。

特に、「暑い暑いうんざりするほど暑い」という字幕に対してclaro×3で歌っていたところが良かった。映画館出た後も日本語との違いとか翻訳の難しさみたいなものの想像に浸ってしまった。

【言葉選びが鋭くて、詩に目覚める】

言葉選びが美しい。

初めてこんな感情になった。

ラップの韻を追いかけるなんてこれまでやったこともなかったのに、自然と主人公が紡ぐ次の言葉に耳と体が吸い寄せられていった。

観賞後に本屋に寄って、人生で初めて詩集を買った。谷川俊太郎詩集。言葉へのアンテナが研ぎ澄まされていて、詩がスルスルと体の芯に入っていく感覚がした。

【まとめ】

・耳が気持ちいい映画体験

・小さな夢だけど、見るものの心を揺さぶる歌

・絶対記憶に残る映画

公開終了が迫ってるそうです。

夏の暑さを感じている今こそ、絶対映画館のサウンドで見たほうが最高。

この記事を見た人は是非駆け込みで映画館へ!

〆〆〆篤姫






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ねこ
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