本を買った一週間(文学フリマ東京39、本は港)
12/1
文学フリマ東京39に行った。
開場から少し時間が経った頃に着いたけど、東京ビックサイトの前には長い待機列ができていた。入場までに同じ場所を何度も往復するように列を進んでいった。絵に描いたような青空で、日差しが冬用コートを貫いた。
会場は人の熱気がこもって暑くてとても混んでいた。
事前調べで興味の湧いたブースをマイルストーンにして見て回るつもりだった。しかし会場が思ったより広い。移動にも時間と苦労を要した。
これまで以上に「生き方」とか「働き方」に関する本を出しているブースが目に留まりやすくなっていた。中には自分と同じ適応障害で休職している人の日記をまとめた本もあった。思わず買った。共感できる部分も多かった。著者さんと直接少し話をする機会もあった。緊張して上手く受け答えできなかったのが悔やしい。
会場は創作者のエネルギーに満ちていた。サンプルを試し読みしている時、売り手と買い手が知り合い同士で会話が始まる・・っていう場面にちょこちょこ出くわした。ちょっと居心地が悪い。やっぱり出店するくらいだから人脈や拡散力があるんだろうなあと思った。
事前準備が万全ではなくて、お金が足りなくなってしまった。即売会での支払いは基本現金。一旦ATMに戻ってお金を下ろす。しかし下ろし過ぎも良くない。ついつい使ってしまうから。
現地で興味の湧いたブースをみて、完売だった時の悔しさを味わった。文フリの醍醐味でもある。通販か次回は忘れずにチェックしよう。
さすがに人が多すぎて人混みに酔う。行き交う来場者のダウンジャケットの膨れ部分をへこませるみたいにかきわけて移動する。
今までなら新しい発見を求めて興味のないブースも含めて会場を一周していた。けれど、今回そこまでの体力はなかった。体力の低下が深刻である。
少し早めに退散することにした。まだ日も傾いていない。会場の外にもこれから入場する人や一旦休憩しにきた人、地図を見ながら作戦を練っている人等、皆活気があった。ビックサイトから続く青空も人々の活気を後押ししていた。いいな。何かに夢中になりたい。
12/2〜12/7
服薬のせいか寒さのせいか、妙に眠い。それからかつてないほどに活力が湧かない。何したって意味ない。何もつまらない。生きてるだけ無駄。そんな諦観が身体を縛ってるみたいだった。ゴミ出しや洗濯とかちょっとした事務とかも今日やる必要がない。って思って全て後回しにしてしまう。何より、将来のこと、今後の仕事のことを真剣に考えないといけないと思っているのに、それすら頭の遠くに置いておいて、考えないようにしてしまっている。そういう意味では不安感を遠ざけているともいえるのかもしれない。でもこれは良くない気がした。現実逃避だ。そう思っても行動が変わらない。これまでできていたこともできなくなっている。マズい。危機感が一瞬火の粉みたいにちりついては消える。
12/8
神奈川の本屋と出版社によるブックマーケット「本は港」に行った。横浜に行くのは本当に久しぶりだった。日曜とあってとにかく人が多い。
日本大通りではイチョウの木は見事に真っ黄色で、撮影してる人が多かった。両手いっぱいに抱えた紅葉を空に広げる人もちらはらいた。風に流れて自分にかかったりもした。コートを閉めてコーヒー片手にイチョウの間のベンチに座る人をみていると、季節を感じられた。
「本は港」に行くのは初めてだった。会場はコンパクトにまとまっていて見やすい分、人も密集していた。
zineを数冊購入した。本屋では出会えないものを発見できるのが面白い。
本をもらう時、僅かでも会話ができるのが温かみがあって良いと思った。
帰りは横浜駅まで歩いた。道中にみかけた西洋風な古洋館、近未来的なビル。川や道路をまたぐロープウェー。横浜って感じだ。
帰りの電車で、隣の人が寝落ちして寄りかかってくるとか、自分の目の前だけに人が立たれるとか、これまで気に留めなかったことで息苦しくなっている自分に気づく。早く一人になりたい。静かなところにいきたい。そういう気持ちが芽生える。ほぼ一週間引きこもっていた反動かもしれない。ある程度人混みも大丈夫になってきたと思っていたが、日によってまだダメな日もある。
疲れたけどエネルギーをもらえた。少しずつ活力を取り戻そう。
今週は本を買った1週間だった。購入に対して読書が進んでいない。特に働き方や生き方のエッセイとか読んでいると、自分の体験や過去が想起されるので読むペースが落ちてしまう。積読が溜まっていく。