介護日記2#100母は必死に生きている
無事に看護小規模多機能の施設から送迎車に乗って母が帰ってきた。
スタッフさんが
「お家につきましたよ。」
と母に声をかけている。
「ありがとう」
母ははっきりとそう答えた。
そんなやり取りも1ヶ月に1度有れば良い方だ。
覚醒が良い時とそうでもない時がある母。そうでもない日の方が増えて来た。
最近は目を開けることも少なくなった。言葉を聞く事も殆ど無くなった。
普段「あ〜」とか「う〜」とか口から漏れ聞こえてはくるのだが、「ありがとう」そんな魔法の言葉を久しぶりに聞くとやたら感激する。
耳元で、聞こえているの?
そう尋ねると、こくんと頷いているからちゃんと理解は出来ているらしい。
覚醒出来ている時はそんなやり取りも時折出来るが、深く傾眠してしまっている時はそんなやり取りすらも出来ない。
車椅子では体がもたなくてべッドで過ごす時間も長くなってきた。
食べる総量も減ってきている。
大きく口を開けてくれないので1口の量も減り、ちょっとずつちょっとずつ口に運ばなければならなくなってきた。
なので食事を介助している時間も長くなってきた。
少しずつ少しずつ出来ない事が増えてきている。
夜ベッドに寝せて電気を消す前に毎回「今日もよく頑張りました」と声をかけるのだが、母はいつも大きく頷くのだ。
頑張っている。
生きる事を必死で頑張っている。
きっと命を全うする為に必死に生きる事を頑張っているのだと思う。
暑い暑い8月が終わり、9月になった。
台風、地震、豪雨。
自然には逆らえない。
明日はどんな1日に
なるのだろうか。
穏やかな1日だといいな。
読んで下さってありがとうございます
素敵な出会いがありますように(千日紅)
この記事が参加している募集
サポートありがとうございます