【史】地下の構造物を見てみる/地図も読み物だから(19)
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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2023年3月4日配信の書き起こしです。
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にゃおのリテラシーを考えるラジオ
読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは、
【史】地下の構造物を見てみる/地図も読み物だから(19)
です。
土曜日は地図を読む話をしています。
日本の地図の代表
地図にもいろいろありますが、日本の地図の代表といえばやはり国土地理院の地図だと思います。
大きな書店には、たくさんの引き出しに入った紙の地図を置いてあるお店があります。昔はこの中から見たい地図を広げてみるしかありませんでした。
もちろん売り物ですから、なかなか自分のものにするというわけにはいきませんでしたしね。
今は嬉しいことに、ネット上で地図を見ることができます。
地理院地図というサイトでは、拡大縮小しながらほぼシームレスに地図を見ていくことができます。
今回は、その中から僕が興味深いと思っている場所の話をします。
概要欄に地図のリンクを置いてありますので、ぜひそれを開いてみてください。
市街地のそばの発電所
見るのは札幌中心部の南西部です。札幌の夜景と言ったら藻岩山からの眺望ですが、その山麓のあたりになります。住所で言うと、札幌市南区南33条、西11丁目。
ここに藻岩発電所があります。市街地のすぐそばにある現役の発電所です。
Wikipediaを見ていただくとその歴史などを知ることができ、その中身もかなり興味深いのですが、今回は地図を読むのです。
水力発電所の仕組み
水力発電所の特徴的な形は山の上から急角度で降りてくる水圧鉄管です。水圧鉄管を通して落ちてくる水の力を使って発電機を回すわけです。水の落差を利用するわけですね。
それはいいんですけど、落ちてくる水はどこから持ってくるのか不思議じゃないですか?まぁ、そんなこと考えたことないかもしれませんけど(笑)
大体山の上には水はないものですよね。発電に使えるような大量の水が山の上にあるなんてことは普通はないわけです。
そこで地図を読んでみるのです。地理院地図の藻岩発電所の辺りを見ると、 発電所から山の上に向かって水圧鉄管らしき黒い直線があって、その先に池のようなものがあります。そして、その池をよく見るとトンネルの入口のようなものがあって、そこから斜めに水色の点線が南西方向に伸びているのがわかります。
これなんだと思います?
トンネルの入口のようなものがあるって言ったので、トンネルだろうと思った方もいると思いますが、その通りです(笑)トンネルの水路なんですね。 藻岩発電所の水圧鉄管の落差を作るためにトンネルで水を引いてきているのです。
長い水路トンネル
引いているのは豊平川の水なのですが、実際の豊平川が少しずつ低いところに流れている傾斜よりも 小さい傾斜の水路のトンネルを掘って、そこに水を流して藻岩発電所の上のところで一気に落とすわけです。
では、そのトンネルの入口はどこにあるのでしょうか?
水色の点線をたどっていくと、標高の同じような山の中を通って、南区の簾舞というところまで続いています。この地下水路の長さは、なんと10.4kmもあるそうです。なんだかすごい構造物が見えないところに作られているのですね。
道路や鉄道のトンネルは見えるところにありますが、水路トンネルはほぼ目に触れることがないので、それが地図で可視化されているのは面白いと思いませんか?
興味を持った方は、ぜひ地理院地図を検索して実際に地図を読んでみてください。
必要に迫られてみる地図は調べるというイメージですが、特定の興味を持ってみる地図は、いかにも読むという感じがしてくると思います。
地図を読む楽しみをたくさんの人に知っていただけると嬉しいです。
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今後配信の中で参考にしていきたいと思います。
おわりに
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。
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