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「悲しき闘牛」から、苦甘い“ビタースウィート・サンバ”の経験を経て、「ライズ RISE」で、文字通りカンバックを果たした男、ハーブ・アルパート

1970年代に若者だった人たちは、彼の名前と代表曲の名前を知らなくても、深夜放送のテーマソングとしてのこの曲を聴いたことはあるでしょうね。

ハーブ・アルパート=HERB ALPERTの「ビタースウィート・サンバ Bitter Sweet Samba」

「Bittersweet Samba」
(ビタースウィート・サンバ)
とは、トランペット奏者で音楽プロデューサーであるハーブ・アルパート(Herb Alpert)による「ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス」の1965年のアルバム『ホイップド・クリーム&アザー・ディライツ』に収録されている、ジャズのインストゥルメンタル曲である。

曲の演奏時間は、実際には1分43秒。
作曲 : ソル・レイク (Sol Lake)、
演奏 : ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス (Herb Alpert & The Tijuana Brass)。

※※※

なんと、この曲は、今でも、ニッポン放送「オールナイトニッポン」のテーマソングとしても使われているので、現役のリスナーでさえも聴いたことがある人気曲といえるでしょうね。

と思ったら、なんと、若い人の「俺ニュース」に取り上げてもらいました。

樫木佐帆
2024年9月13日 16:05
ハーブ・アルパートって誰じゃい!ビタースウィート・サンバって何じゃい!とか思ったらオールナイトニッポンのテーマソングのアレでちょいビビる。何?凄い人なん?まあよくわからんけどyoutube貼っとこ。

やはり、ハーブ・アルパートも、そして曲名も知らなくても、この曲だけは、超インパクトがあるのですね♥👏♫

https://note.com/kashikisaho13/n/n51e2d3406e0e

当時は、あまりの人気振りに、日本でだけシングルカットされて、ハーブ・アルパートが浜辺で乗馬しているジャケ写のレコード盤が発売されていたようです。

https://www.45cat.com/record/top1415

Comments and Reviews
kei masaru 21st Dec 2014:
This tune has been used as a theme music in japanese radio program
over 45 years.
Inside this insert sheet,
portrait and comments of
6 disk jockies are printed.
This radio program is
'All Night Nippon'.

この曲自体は、1965年に、「ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス Herb Alpert & Herb Alpert & The Tijuana Brass」名義で発表されて、代表曲の「蜜の味」「マルタ島の砂」「悲しき闘牛」などで、当時は既に一世を風靡していたものの、

https://www.facebook.com/HerbAlpertPresents/videos/1412890309623224/?mibextid=rS40aB7S9Ucbxw6v


1975年に開催された、ティファナブラス時代のヒットメドレーのライブより

しかし、アルパート自身としては、それ以降はなかなかヒットが出ない状況でした。

ただし、彼自身は、プロデューサー、そしてレコード会社の共同経営者、すなわち、A&Mレコードの社長として、経済的にも社会的にも安定した地位を築いていました。

さらに、彼は、先日、訃報が伝えられた、セルジオ・メンデス&ブラジル’66のリードシンガーだったラニー・ホールと結婚するも、時折、彼のバンドの公演にも彼女が復帰したりして、セルメンとの関係も良好なまま、私生活でも充実した毎日を送っていたようです。

セルジオ・メンデス&ブラジル’66「マシュ・ケ・ナダ」のプロデュースを手掛けたのは、まさにハーブ・アルパートであり、嫁さんをゲットするだけでなく、大ヒットをもものにしていたのでしたね。

https://www.facebook.com/HerbAlpertPresents/videos/392164220356633/?mibextid=rS40aB7S9Ucbxw6v

Sergio Mendes & Brasil 66 perform songwriter Jorge Ben's worldwide hit song, "Mas Que Nada". 

An extremely catchy, tight bossa nova arrangement with the lead voice of Lani Hall soaring above the swinging rhythm section. 

A classic recording that was produced by Herb Alpert in 1966.

#sergiomendes  
#brasil66  
#brasilmusic  
#60spopmusic

A&Mレコード(エー・アンド・エム・レコード、A&M Records)は、米ユニバーサル ミュージック グループ内のインタースコープ・ゲフィン・A&Mレコード傘下のレコードレーベル。

元々は1962年にハーブ・アルパートとジェリー・モスが「A」はアルパート、「M」はモスの頭文字(Alpert & Moss)から命名して設立。
会社は1989年にイギリスのポリドール社に買収されたのちも数々のヒット曲を量産した。

※※※

1960年代半ばから、スタートランペッターの仲間入りをして、仲間と設立したレコード会社の経営も良好といえ、順風満帆の人生を送っていたのかと思いきや、

彼自身は、世間からは、“忘れられたアーティスト”というイメージで捉えられていたことに大きな不満を抱えていたそうです。

そこで、一念発起して、新たな、ディスコティック・スタイルの「ライズ RISE=這い上がる」というタイトルの楽曲をリリースしたところ、遂に、メジャーの音楽シーンにカンバックを果たすことができたのです。

https://www.facebook.com/share/v/HqnCdQaGYnXKPXJs/

Herb Alpert performs "Rise" on Soul Train in 1979

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この曲自体は、当時、人に嫌がれるほどヘヴィ・ローテーションで流しまくり(実際に、「ライズ」を、まだウォークマンが発売される前だったので、オリンパス製のマイクロカセットレコーダーに録音して、学校のサークル活動中の教室に、顰蹙をものともせずに今流行りの音楽として大音量で流し、普及活動に邁進していたものです。若いって恐ろしいですね^^;)

楽曲は、飽きるほど聴いていましたが、この

Herb Alpert performs "Rise" on Soul Train in 1979

というライブ映像は、今回初めて視聴しましたが、こんな、スタイリッシュな形でプロモートしていたのですね。

ところで、

私は、「ライズ」によって華々しくカンバックを果たしたハーブ・アルパートの“肉声”を聴いたことがあります。

それは、当時、FM東京で放送されていた「USA LOVE MIRAGE アメリカ音楽地図」という音楽番組で、英語に堪能なパーソナリティーのダニー石尾が、スポンサーである三菱自動車工業のミラージュを駆って全米各地を巡りながら、彼の地のミュージシャンたちを訪ねて直撃インタビューを敢行するというのを売り物にしていて、そこで、アルパートに尋ねたことがあったのです。

「ライズ」という曲が大ヒットを収めたことに対して、今は、どんな気持ちですか?

という趣旨の質問をしたダニー石尾に対して、

「いやぁ、最高の気分だよ。それまで、散々いろんな試みをして、かつてのティファナ・ブラス以来の人気を取り戻そうとしたんだけど、どれもうまくいかなかったんだ。どんなに経営者としてはうまくいっていたとしても、やはり、1人のミュージシャンとして、どうしても、もう一度カンバックしたかったんだけど、その夢が叶ったんだからね」

と、包み隠さず本音を語ったアルパート。

当時の放送をカセットテープに録音したテープは、もうどこにいったかわからないし、たぶん、たとえ見付かったとしてもテープが劣化してしまって聴けないと思いますが、その内容は、今でも私の脳内メモリーにしっかりと“記録”されています。

どんなに、プロデューサー、そして経営者として成功を収めても、やはり、一度、スターとして脚光を浴びてしまった“蜜の味 Taste of Honey”(この番組でも掛けられた、ティファナ・ブラス時代のヒット曲)を覚えてしまうと、やはり、その誘惑から逃れることはできないのでしょうね。

この時には、彼のデビュー曲、「悲しき闘牛 The Lonly Bull」も紹介されましたが、カンバック曲の「ライズ」を含めて、彼の心に秘められている“マリアッチ・サウンド”の哀愁が、彼の人間性を形作っているんでしょうね。

『USA LOVE MIRAGE アメリカ音楽地図』(ユーエスエイ・ラブ・ミラージュ アメリカおんがくちず)は、1980年4月から放送されていたFM東京(現・TOKYO FM)のラジオ番組。
前身番組は「MIRAGE LOVE USA」。

当時土曜日の朝9:00-9:55(一部のAM局では朝10:00-10:55)に編成。

アメリカン・ポップスを主に流し、それに合わせアメリカ合衆国の情報を届けるという内容であった。

初期のパーソナリティーはダニー石尾。

タイトルの由来は当時三菱で発売されていた乗用車・ミラージュ(MIRAGE)に因み、アメリカをミラージュで旅しながらビッグアーティストに直接インタビュー。

ミュージシャンでもある石尾はインタビューしながらビッグアーティストたちとセッション演奏するなど他に類をみない斬新なアイデアで番組を進めた。

日系アメリカ人を父に持つ石尾はその語学力とテンポの良い切り口のトークで当時のラジオ界に旋風を起こした。

当時JFN系列局が少なかったこともあり、一部の地域では民放AMラジオ局が番組販売で放送した。

※※※

2015年に、「ライズ」で大ヒットを記録してから、実に、約48年振りに来日コンサートを敢行した、彼に対するインタビューが、ブルー・ノート・トーキョーのサイトに残されていますので、ご紹介しましょう。

その後は何度も来日していてご顕在ですので、愛妻のラニー・ホールとともに、また来日してほしいと願っております。

ハーブ・アルパート(Herb Alpert、1935年3月31日 - )は、アメリカ合衆国出身のトランペット奏者、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、歌手、ティファナ・ブラス(The Tijuana Brass)のリーダー、A&Mレコードの創始者。

なお、A&Mの"A"はアルパート(Alpert)を指す。

代表曲には「蜜の味」「ビター・スウィート・サンバ」「マルタ島の砂」「悲しき闘牛」「ディス・ガイ」「ライズ」「ダイアモンド」などがある。

そのサウンドはアメリカ音楽とメキシコのマリアッチを合わせた音楽として「アメリアッチ」と呼ばれた時期もあった。

ニッポン放送の深夜ラジオ番組、『オールナイトニッポン』のテーマソングとして「ビター・スウィート・サンバ」が長年使われている。

ヴォーカル曲とインストゥルメンタル曲の両方で、ビルボード誌全米シングル・チャートNo.1を獲得した唯一の人物でもある。

【バイオグラフィ】
A&M設立まで

1935年3月31日、カリフォルニア州ロサンゼルスにてユダヤ系ルーマニア移民の両親の間に生まれた。
8歳よりトランペットを習い始めたとのこと。
1952年、高校を卒業後南カリフォルニア大学へ入学。
在学時にトロジャン・マーチング・バンド(英語版)へ2年間参加した。1954年に学士号を同大学より修得し、卒業する。

(後略)

※※※

しかし、著名な白人の音楽家で、ユダヤ系の血筋をもつ人のなんと多いことよ、という感想をいつも思いますね。

https://www.facebook.com/100000591726100/posts/pfbid06a31mifG6smdmTD2ABKkKDzNvHpBMn2uaztrvBV2Hb7Y3UDL2LtMVnfS8m7UfJzCl/?app=fbl


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