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いっぽんの鉛筆のむこうに

「いっぽんの鉛筆のむこうに」という絵本があります。
この絵本は、いっぽんの鉛筆が出来る過程と、その過程で携わるスリランカ、アメリカ、メキシコ、日本など、各国の人々の仕事と生活について紹介されていて、一本の鉛筆を作るのに、実は遠い海の向こうの人も含めて、何百、何千という数の人が携わっているということが、この絵本からよく分かります。

それを考えたときに、こんな便利な世の中に生きている私たちですから、ほんとうに数え切れない程の多くの人たちによって暮らしが支えられていて、見たことも会ったこともない人たちによって、生かされているということが、子どもたちでも想像できるのだと思います。

昔の映画に「ペイフォワード」という、とても感動的な作品がありました。
ペイフォワードとは、誰かから何かをしてもらった、それを相手にお返しするのではなくて、別の人にお返しするという考え方です。
つまり、自分が受けた感謝を別の人へお返しし、さらにまた別の人へと先へ先へと繋いでいくということになります。

よく考えると、実は世の中では、すでにペイフォワードの世界が成り立っているのです。
自分がやることは、誰かのためになっているし、自分がどこの誰かもわからない人たちによってずっと支えてもらっていて、今ここに生かされています。

お金というものは、それをスムーズにするための一つの道具として作られたものです。ですから、お金自体には、ほんとうは価値はないのです。

絵本の最後で、次のように締めくくられています。

人間は銘筆いっぽんすら自分ひとりではつくりだせない。
いまでは、どこのうちのひきだしのなかにもころがっている鉛筆だが、そのいっぽんの銘筆をつくるためには、かぞえきれぬほどおおぜいの人がちからをあわせている。

ペイフォワードがそうであるように、すべての良き循環は、「ありがとう」という”感謝”から始まるのだと思います。

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