書評: 『ルポ特殊詐欺』
「ルフィ事件」の後というのもあって、即座に購入。
特殊詐欺の手口は巧妙ですが、書きません。分かる人は「ああそうか」で、終わるかもしれません。
言えるのは…
「好きで加担しているわけじゃない」人もいる。
追えない司法のノロさや癒着。こうした点がハイライトされているのは、良かったな、と。大元を追えない、つかめないというのも、正直なところ、現法制度では難しい。
そうなると、金銭に苦心している人は
ソフトな感覚で犯罪に手を染める。しかし、捕まるのは末端。
ここに歯がゆさがあります。
特に複雑な環境で育った人、知能や発達に障害のある人、ドロ沼にハマってしまった人ーー。
美化したくはないのですが、加害者の数だけ刹那なドラマがあります。
あとがきで「若者にも」読んでほしいと、書いてあった点に胸が打たれました。
入口はすぐそこにあるので。出口はアリ地獄のようなもの。特に、10〜20代を対象にした、ルポ小説と、勧めたいところです。