KALATH

今日も活字とトラックにノる。 元へなちょこ記者。行き先不明。

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マガジン

  • 『燃え上がる輪』

  • Reccomendation.

    活字と煙は、高く昇るとか。

  • 連載『欲の涙』

    欲望の渦巻くネオン街。欲は何を、誰に語るのか。欲のささやきと声に溺れる人たち。その中間に位置する人たちーーどこへと向かうのか。

  • 『走れ田口三部作』

    *高校時代。淡い青春の思い出を書き綴っています。  他のフィクションと異なり、こちらは私体験に基づく話です。  その経験を脚色し、想像を加えよりリアリティを持たせる、  実験作です。  私小説寄りです。淡さや青さを盛り込みました。

  • エッセイ、その他

最近の記事

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『グレーハウンド』

裏の裏は表だ。夜道は「裏」。一人で歩くと、危険を察知し警戒をする。危害を想定する。避けようと、裏道を避けようとする。  次に別の、安全に思える表道に近い裏道を選ぶ。そこも「裏」だ。暗闇に同化して、足元に近づいてくる。得体の知れない恐怖に怯えるだろう。そこで選ぶのはーー人がいてネオンが輝き、安堵を覚える「表」道。  そこに真の「裏」がある。表面上は綺麗で安心をするだろう。だが、見えない裏が群がっていて、容赦なく襲ってくる。修復は効かない。人生の歯車が修復できないところまで、

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    • 『不幸の押し入れ』

       おそらく人間には平等に、不幸が訪れる。ひとはそのタイミングを選べないような気がする。自分に降りかかった不幸のほとんどは、不意のもの。経験則と推測でしか語れないのがもどかしい。  不幸--。  不平等なものであってほしいし、時期も選べたらいいのに、とも付け足す。不幸の質量は人の数だけ違うし、人によって「そんな不幸で落ち込む?」と、感受にも差異がある。  「なんで俺(私)だけ……」と降りかかった不幸の対比をする、したくなるのは、いたく自然なことかもしれない。一方、「あいつ

      • 『紅葉の巡礼』

        "REGULATORS" Regulators, We regulate any stealings of his property We're damn good too. But you can't beat any geek off the street, Gotta be handy with the steel If you know what I mean. Earn your keep Regulators, mount up. 【記憶の糸】  あれは、高校

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        • 『紫煙の記憶』

           これはあくまで僕が「ハメられた」話だ。  軸足がここに置かれていることだけ念頭に置いてほしい。一杯食わされた過去に「さようなら」を告げたくて、書いている次第だ。 【あれは】  僕の地元には、少し洒落たオンボロな喫茶店兼バー(のような店)がある。穴場スポット的な所。主に置いてあるのは、レコード。  現代社会の見捨てたアナログな世界が一極に集中している。そんな寂れたレトロな店。  どのような店かを細かに説明するのは難しい。暗い。音楽がステキ、ルーズ(閉店時間は建前上あ

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        • 『燃え上がる輪』
          1本
        • Reccomendation.
          10本
        • 連載『欲の涙』
          20本
        • 『走れ田口三部作』
          4本
        • エッセイ、その他
          17本
        • フィクション
          7本

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          『生き延びる叫びよ』

          【悪いのは】  ロバータ・フラックの"Killing Me Softly"が頭のなかでこだまする。曲のトーンに陰うつさは感じられない。ただ、自分の行いを省みると、この曲が頭でループするたびに、叫び出したくなるほどの苦しみを覚える。  「逃げて」--。かのじょの最後のひと言だった。どこに逃げるべきなのか分からないまま、僕は右に行き、左に行き、前に進む。後ろに戻れない。涙は流れない、不思議と。 自分が安全でありたい、解放されたいと、願っているだけなのだろうか?  恋人を

          『生き延びる叫びよ』

          『返ってこない7桁』

          序 この話は、とある学生についての話だ。どこにでもいる、詐欺とは無縁に思える学生についての話。しかし、マルチ商法詐欺の手法は多様化しているのも事実だ。今回は俗称「モノなしマルチ」商法の被害について。

          『返ってこない7桁』

          「現行体制を問う」

          これから書く話。 すべて実話だ。小説ではない。 現実とSNS(交流サイト)は切り離せない時代だろう。ところが、盲点もある。ジャンルによって異なる。 潜む落とし穴を掘っているのは、案外、一見すると善良な人間だったりする。

          「現行体制を問う」

          『無言』④

          『無言』④

          レイノアレ

          今日は核心に迫る第一歩を、書き進めてゆく。読み手は誰のことを言っているのか、分かってくれていると思う。 最近、マルチ商法に規制がかかっている。とあるマルチの大本山とも言われてきた企業に、行政勧告令が出された。事実上の解体だ。モデルのルーツはいつなのだろう?と頭をよぎる。この手法は「騙して稼ぐ」。とても賢いそれだからだ。もうかるのが上層部だけどいうのもーー善悪は別としてーーまた上手くできている。働くのではなく働いてもらうだけで、カネが入ってくるカラクリ。 モラルが欠如していても

          レイノアレ

          いいたいけれどいえないこと

          ここ最近SNS(交流サイト)空間が闇だらけになっている。さあ、なんのことだかサッパリだろう。見える人・見えない人に見事に分かれた。見える人には全てお見通し。証拠も揃っている。興味本位でした投稿が、あとあと多くの被害者をはじめ、迷惑をかける。マルチ商法・特定商品取引やら、悪行の数かずが、当たり前にあるんだ。その数かずを紐解いていく。時系列はバラバラだ。それだけは事前に把握してほしい。

          いいたいけれどいえないこと

        記事

          『どうしたものか』

          【レペゼン非モテ】  日本非モテ協会理事長を務めるくらい、ぼくは非モテなメンズの鑑的な存在だ。「俺の背中を見て非モテになろうぜ!」との気概があるから、座に就くのは当たり前だ(協会なんて今勝手につくったものだから、実在するわけがないと添える)。  ところが。  モテはしたのかもしれない。過去の栄光のようで小恥ずかしいが、なにせぼくは非モテ。  たまには、過去の自慢をさせてほしい。  【突然に】  「氷川きよしに似ているわね」--。コンビニでアルバイトをしていた時期に

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          『どうしたものか』

          『水槽の恋』

           最初に断っておく。  これは、男女両方から「女心がわからない」男に認定された、ぼくの恋愛(失敗)テクニックだ。つまり、読めば読むほど、非モテくんになる可能性が高い  モテたいのなら「モテモテテクニック伝授⤴︎」といった類の情報商材を買うことを勧める。中身はスカスカだとしても、「目指せモテ男☆」と道筋が明るければ、モチベーションは上がるだろう。  裏を返せば、こちらはモチベーションサゲサゲの内容。その点、よろしく。 【分からないもの】  女心とは一体--。  これ

          『水槽の恋』

          『インドと夢と命』

          【あの日】  アイツが死んでからもう少しで8年目を迎える。命日が近づくと否応なしに、苦い過去を思い返してしまうもの。  アイツがインドで「死んだ」--この報を受けた時、当時のぼくは固まってしまった。知人や友人、親族を失った方ならお分かりになるだろう--。衝撃に抗(あらが)うかたちで、現実を非現実化してしまう、あの一瞬の反応は。  あくまで一瞬にしかすぎないのだが。  あまりにも信じられない、もしくは信じたくないことは、現実ではないと振り払おうとするのが本能なのかもしれ

          『インドと夢と命』

          主流SNSでつぶやくと面倒になりそうなので、こちらで。 平本のドーピングの暴露がまぜ試合前じゃなかったのかが気になる。憶測だけど、リークする側はタイミングを選ぶ。 選手生命を終わらせるには、試合後より前のほうが壊滅的な打撃力があるのに。

          主流SNSでつぶやくと面倒になりそうなので、こちらで。 平本のドーピングの暴露がまぜ試合前じゃなかったのかが気になる。憶測だけど、リークする側はタイミングを選ぶ。 選手生命を終わらせるには、試合後より前のほうが壊滅的な打撃力があるのに。

          『破れたカルテ』

          【カルテとの遭遇】  記憶の隅に一枚の古びたカルテの残像が眠っている。  床に放置されたままだったのだろうか、そのカルテはしわだらけの状態で、破れてもいた。風 記憶の隅に一枚の古びたカルテの残像が眠っている。  床に放置されたままだったのだろうか、そのカルテはしわだらけの状態で、破れてもいた。風化したカルテには手書きで病名や既往歴、住所、連絡先が記されていた記憶がある。          *** 【無神経な冒険】  今から20年近くまえのこと。  当時、高校生の僕

          『破れたカルテ』

          『川と怪奇ダム』

          【本題に入る前に】  さきに断りたい--。  僕は自分に霊感があると思っていないこと、それと、神秘的な現象などには懐疑的ということ。その上で、「霊的な力」を感じた、体験を綴りたい。                ***  中学1年生の梅雨ごろだっただろうか、林間学校で宿泊施設にバスで向かって泊まったのは。行く途中のバス内は活気に溢れ、同級生が色んな話題で盛り上がっている。自分もその輪の中に入ったり、途中で抜けたりした。マイペースに楽しい時間を楽しんでいたのを思い出す。

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          『川と怪奇ダム』

          『「飛鳥クリニックは今日も雨」が描く悪』

           桜の代紋は歌舞伎町を浄化できるのだろうか--。『飛鳥クリニックは今日も雨』(上)(中)(下)(以下、飛鳥トリロジー)の3冊を読み終え、自問した。悪の自浄作用というとややオーバーかもしれないが、悪を倒せるのは悪なのかもしれないというのが感想だ。  読んだ書籍に対しての解釈は十人十色。それを前提に、僕の書く内容はそのうちの一つに過ぎないと、肩の荷を軽くして読んでもらえると望外である。  奥深くに沈むアンダーグランドな事件の数かずを、主人公のリーは追いかけ、時に事件に振り回さ

          『「飛鳥クリニックは今日も雨」が描く悪』

          『生き延びる叫びよ』

          【悪いのは】  ロバータ・フラックの"Killing Me Softly"が頭のなかでこだまする。曲のトーンに陰うつさは感じられない。ただ、自分の行いを省みると、この曲が頭でループするたびに、叫び出したくなるほどの苦しみを覚える。  「逃げて」--。かのじょの最後のひと言だった。どこに逃げるべきなのか分からないまま、僕は右に行き、左に行き、前に進む。後ろに戻れない。涙は流れない、不思議と。 自分が安全でありたい、解放されたいと、願っているだけなのだろうか?  恋人を

          『生き延びる叫びよ』

          『生き延びる叫びよ』(下)⑤

          【吹けよ風】 春風の吹く方へ--。春風に吹かれ、僕は車を運転していた。ひたすら、脇目もふらず。風に任せ走っていった。  質屋で店主を殺してから、急いで車に乗った。大量とは言えずとも服に--自分のだか、返り血なのだかわからないが--、血が付いていたものだから、那須高原のパーキングエリアで、みえ子に新品の洋服を買うように伝えた。  Tシャツ程度のものでいい、半袖で十分だと。  肌寒い春の夜に、上着がないのは、心許(もと)ない。だが仕方がない。仮に今、警察が追っているとする

          『生き延びる叫びよ』(下)⑤

          『生き延びる叫びよ』(下)④

          【渇き】  最悪な危機を脱した気になっていた。現金強奪犯たちに追われているのかもしれない。だが、それでも都内で生き残り車を借りて、逃げおおせている。これだけで十分だ。もう災厄に見舞われるわけがないと、高を括ってしいた。脇が甘くなっていたのだろうか。  車を走らせながらみえ子と話し合う。  みえ子と僕とで、手分けをしてブランド品を川越市内の質屋に出すことになった。逃げている身である手前、昼に堂々と売りにだすわけにはいかなかい――。  その晩に僕たちが売りに来た、と質屋が

          『生き延びる叫びよ』(下)④

          『奇妙頂礼地方都市秘話』(2)

          【おサボり】  そういえば、だ。  俺の地元について、端折りすぎた気がする。ここで補足するかな。  そういえば、だ。  俺自身のことも書いていないや。興味抱く人があまりいないと思っていたし。  自分の経験した出来ごとは、なるたけ忠実に。  ただ、「アレ?なんだったっけなあ……」って話になると、脚色してしまうかもしれない。  怒られない範囲内での誇張の方が面白いでしょう?  加えて、というか重ねて「聞いた話」は膨らんじゃうはず。伝言ゲームみたいなもので、気がついたら「

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          『奇妙頂礼地方都市秘話』(2)

          『奇妙頂礼地方都市秘話』(1)

          【冷や汗】  「世にも奇妙な話」みたいに出来すぎた、気味の悪い話--。その手の話を耳にすることは、人生で一度か二度くらいあると思う。人によってはそれ以上だと思う。  三度以上あるヤツってどんな人なのか、想像には難しくないハズ。  又聞きだったりするから、尾ひれもついて脚色される。それでもって自分も盛っているかもしれない。事実誤認があったりする。それもご容赦してもらえれば。  というか俺自身は、「〜から聞いた話」ってオートマ式に膨らむから仕方ないと割り切っている。  

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          『奇妙頂礼地方都市秘話』(1)