140字小説【たまに泣きたくなるとき】
職場のトイレにこもっていると、隣の個室から何やら泣いている声が聞こえてきた。
「だ、大丈夫ですか? 何かあったんですか?」
「すみません、たまには泣きたくなっちゃっただけで……失礼します」
そう言って、先に出ていった誰か。個室にはなぜか、みじん切りの玉ねぎと包丁が置き去られていた。
職場のトイレにこもっていると、隣の個室から何やら泣いている声が聞こえてきた。
「だ、大丈夫ですか? 何かあったんですか?」
「すみません、たまには泣きたくなっちゃっただけで……失礼します」
そう言って、先に出ていった誰か。個室にはなぜか、みじん切りの玉ねぎと包丁が置き去られていた。