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じつわこれじつわ −140字の「実話」小説集−

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これまでに公開してきた140字小説の中で、ナゾリの実体験に基づくシリーズをまとめてみました。事実は小説よりも奇なり。 ※無断利用および転載は原則禁止です。
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2024年10月の記事一覧

140字小説【実話︰あれは伏線だったのか】

140字小説【実話︰あれは伏線だったのか】

 小学生の頃、国語の教科書を用いた《音読》という宿題があった。

 なぜ黙読ではダメなのか? 誰に読み聞かせるというのか? そもそもみんな真面目に取り組んでなどいるのか?

 そんな不満を抱いていた自分が、約十年後に声優の勉強をしているのだから、何が将来の役に立つか分からないものである。

140字小説【実話︰近道にモンスターがいるのはお約束】

140字小説【実話︰近道にモンスターがいるのはお約束】

 エレベーターのボタンを押してから、降りてくるのを待つこと数秒。ようやく扉が開いたかと思えば、内部のパネル部分には一匹の蜘蛛(わりと大きめ)が。どうする?

▼気をつけながら乗る。
▼仕方なく階段を昇る。

 目的の階層まで自力で昇るにはキツすぎる。
 それでも私は……嫌悪感に抗えなかった。