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じつわこれじつわ −140字の「実話」小説集−

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これまでに公開してきた140字小説の中で、ナゾリの実体験に基づくシリーズをまとめてみました。事実は小説よりも奇なり。 ※無断利用および転載は原則禁止です。
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2024年8月の記事一覧

140字小説【実話︰通な奴ら】

140字小説【実話︰通な奴ら】

 いつものパン屋で新作パンを買い、家まで待ちきれず、珍しく近くの公園で食べることに。
 白日の光が照らすベンチに腰掛け、袋を開ける。するとパンが顔を覗かせた次の瞬間、足下から、ベンチから、背後の茂みから、無数の鳥類の視線を感じた。
 まさかコイツら……あの店の味を知ってやがる……!?

140字小説【実話︰YOUは何しに我が夢へ?】

140字小説【実話︰YOUは何しに我が夢へ?】

「アナタの夢に出ちゃうぞっ!」

 みたいな常套句を、今まで何度アイドルの口から聞いたことか。

 そんな私の夢にここ最近、いつも動画配信で見ているグループのメンバーの一人が本当に現れた。しかも二度も。

 あいにく推しメンではなかったけれど……もしかしてその人のこと潜在的に推しちゃってる?

140字小説【実話︰遠回しな家族】

140字小説【実話︰遠回しな家族】

 関西人の男友達と回転寿司に行ったときのこと……

「そういや俺の兄貴の妹がさぁ……」

 ――ん? 兄の妹?「そう、兄貴に小さい妹がいてるんやけどな?」

 ――『君(末っ子)の兄の妹』ということは、つまり『君の姉』では?

「えっ? ……あっ、違う違う! 兄貴に小さい娘がいてるんやけど……」