強制引退の瀬戸際にある競艇選手の悲哀よ…『レーサーの家』を読む
16歳でデビューする選手から70歳を超えても現役で走り続けるレーサーまで、幅広い年代が鎬を削る競艇界。そんな勝負の世界には「1600人枠」という制度があるという。
レーサーの質を保つ、そして、各レーサーへの斡旋数を確保する目的で制定されたルールで、成績が振るわない選手は以下の条件で「クビ」を宣告されるのだ。
よくいえば新陳代謝を促す、悪くいえば力無き老ぼれを除外するためのルールともいえる。
これがどれだけ困難なものなのか……というと、そこまで厳しい条件とはいえない。例え