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フィレンツェでイタリア語&写真を学んだこと2~ 七転び八起き~


到着早々の大失態 初日から凹むハプニング

言い訳にしかならないが、知らなかった
事前に売店でバスのチケットを買うことを・・・

ベネチア観光を終え、電車でフィレンツェへ向かった。サンタ・マリア・ノベッラ駅からホームステイ先までタクシーにすればよかったのに、タイミングよくバスが来て、チケットを買わずに慌てて飛び乗ってしまった。

そんな時に限って、運が悪い。

途中から警官が乗車し、順番にチケットの確認を始めたのだ。無賃乗車などするわけないし、降りる時に払うつもりだったと言っても、通じない。話せばわかってくれると思った自分が甘かった。罰金を約6,000円も払うハメになった。タクシーの3倍。無知な旅行客をターゲットにしたお小遣い稼ぎのように思えて腹が立つ。しかも、罰金を払ったうえに強制的に次のバス停で降ろされてしまった・・

初めて来た町で、疑われ、未知の場所に降ろさる。あたりには売店もなく、次のバスチケットを買うこともできない。今まで多くの国を旅したけど、これは酷い。一等列車への乗車を拒否され列車から放り出され地面に転がるという映画「ガンジー」の強烈なシーンが頭にうかび、そんな理不尽な差別をうけたわけでもないし、知らなかった自分が悪いと思ってはいるが、「これがイタリアか!」と洗礼を受けた気分のまま、歩き出す。

大きなスーツケースを引きずり、 円形広場に差しかかった。スマホもなぜか不安定。広場から放射状に延びる道のどれに進めばいいのか分からない。こんな扱いをうけたから、人に話しかけるのも億劫になっていた。でも完全に迷子なので誰かに聞くしかないのだ。誰に聞こう...

若いカップルに声をかけた。彼らは親切に自分のスマホに行先の住所を打ち込んで調べ、途中までついてきてくれた。洗礼のショックが、少し回復する。こうして彼らのお陰で無事にホームステイ先へたどり着くことができた。

フィレンツェ:新生活の幕開け

ブザーを鳴らしてアパートに入ると100年くらい前の古いエレベータと螺旋階段が高い天井まで続き、タイムスリップしたみたいだ。
迎えてくれたのは、初老の女性と3匹の犬。挨拶を済ませ一段落すると、夕食まで時間があるから散策してこいと、追い出されてしまう。ステイ先はカンポ・ディ・マルテ駅のすぐ側で中心から離れている。サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から街中を見ずに、ここへ来たので、明日から通う学校の下見へ行くことにした。

学校までは1.5km、ゆっくり歩いて30分。毎朝歩くのか・・。もと来た道を戻り、先ほど迷った円形広場へ。住宅街から、商店街、中心に向かうにつれて賑やかになる。大きな教会の裏手に出たので表側にまわると、教会前の広場には無数のテントがあり、人であふれている。初めて見る本場ヨーロッパのクリスマスマーケットだった。クリスマスグッズや各国の料理、屋台を見ているとお腹が減っていることに気づく。

巨大なソーセージを挟んだホットドックを買ってみた。思い切って英語で「どこの国の?」って聞いたら、若いお姉さんが照れ笑いを浮かべ「ポルシュカ!」と。ポーランドから来て、いろんな国のクリスマスマーケットで屋台を出している、らしい。

教会を見上げる。装飾を施した白い壁が空にそびえ、信じられないくらい綺麗だ。その隣にはライトに照らされた立派な石像があった。その堂々とした立ち方、美しさに思わず見惚れる。これは、誰だろう?
昔のフィレンツェの偉い人??

その時撮った写真。おもいっきり名前が書いてあるのだが・・・

聖人や天使の石像はヨーロッパでよく見るが、この像は顔を覚えるくらい人間らしい。ルネサンスが花開いたフィレンツェならではなのだろうか?

のちのちクラスメイトに「教会の横の石像がかっこいい!」というと、彼が調べてくれて、ダンテだと知った。フィレンツェ出身の詩人ダンテ・アリギエーリ。この光に照らされた像を見た時、フィレンツェの生活が始まった気がした。だから、数年後、再訪した時も、まずはここへと向かった。

再訪した時に撮った写真。相変わらず美しい。

ホームステイ先からまさかの3日で退去する

少しは我慢しろと言われそうだけど、我慢する理由はない。たった1週間の滞在でも貴重な海外生活の時間である。

ホストの飼う優秀な3匹の番犬は、私が部屋を出るたびに吠えて迫ってくる。夜はトイレも行きづらく、耐えられない。それに、30分かけて徒歩で学校に行くのも嫌だったし、ホストのビジネスライクな対応もあまり居心地がよくなかった。そんな理由で早々に出ることに決めた。

まずは手配した学校に伝え、3日目の夜にホストに「明日出て行きます」と、告げた時は嫌な顔をされたが、次の日の朝には荷物をまとめ、スーツケースを持ちそのまま学校へ行った。ということをクラスメイトに話すと、彼女もその翌日、ホームステイを出たらしい(笑)よっぽど嫌だったのだろう・・

一転!快適すぎるホテル生活

ホームステイを出る前に調べておいた街の中心にある安ホテルに行き、フロントのお兄さんに「明日から10日間泊めてくれない?」と頼むと、あっさり「OK!」ということで、部屋を見せてもらい、即決した。

フィレンツェを象徴するサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドォーモ)の近くで、お店も観光名所も学校も徒歩数分圏内。大きな扉を入ると静かな中庭があり階段で上がる。部屋もかわいくて広いし、テーブルも、クローゼットも、冷蔵庫もトイレも洗面も窓もある!シャワーは共同だが、当時の値段で一泊2,000円台とコスパが良すぎた。朝ごはんはついてたような、なかったような(忘れてしまった)。

この通りから見るドォーモが本当に好き。
少し離れるとこんな感じ。

日本にいる時にネットでよく調べて決めたつもりだが、実際行き、見てみないと自分にあう場所なんてわからない。フィレンツェ4日目にして、ようやく環境が整い、快適になった。

このホテルはホスピタリティも抜群で、旅行する時に相談したら、1時間ほどフロントのPCで作業をさせてくれて、予約票もプリントしてくれた。

フィレンツェでの七転び八起の生活。自分のコンフォートゾーンを見つけることで乗り切った最初の4日間。次回は学校の授業について書いてみたい。

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