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武尊の心の問題公表から考える こころの扱いについて
昨今プロアスリートの中でも多くの選手がうつ病、パニック障害など、心の問題を語り、話題になることがあります。
うつ病やパニック障害、ADHDなどあまり馴染みのない言葉が横行していて、一般的なイメージとしては、
”かわいそう、大変だ”
というふうに感じられるのではないかなと思います。
ここについては断言したいんですが、
アスリートもあくまで一人間であるということです。
そして多くの人々は体のトレーニングや技術のトレーニングはするけども、
心のトレーニングをしていない、扱い方を理解していないというのが1番の課題なのではないかと思います。
人間はそんなに強くないですし、心が強いと世間的に言われているような人も、内心は苦しかったり、むしろ病んでしまっていたりすることもあるかもしれません。
それを面白おかしく取り上げるのもどうかと思いますし、扱い方一つで大きく転んでしまう非常に危険なものだなと今回改めて思いました。
心についての教育、知識の共有が必要になってきたとつくづく感じています。
武尊選手の休養宣言についてはまさにあれだけの注目を浴びて那須川天心選手との熱戦を繰り広げた中で、プレッシャーはとてつもないもので、さらには第一線で10年も神経がすり減るような中で戦い続けているという。
どこかおかしくなっていても言い出せない環境であったり、弱みをなかなか見せられる環境になかったり、自分に厳しく、価値が求められている、世間からの期待を背負って戦っている。
本当にこうしたトップ選手は強いなとも思いますし、今回の弱みを曝け出すというのは相当な覚悟だったのではないかと思います。
これを受けて、なぜここまでしてトップアスリートが追い込まれてしまう状
況に陥ってしまうのか考察してみました。
それは
自分自身の影響力が自分のコントロールに追いつかなくなってしまう
ことがあるのかと思います。
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格闘技のファンでなくても知っている武尊という名前。
メディアで取り上げられて、取材に追われる日々、特集が組まれたり、マスコミに追われたり、時には暴露されてしまうことも。
何せプライベートというか、周囲の目を避けようと思っても避けられないほどの影響力を持ってしまっているのです。
それでも昔は心の問題に関する認識が小さかったということもあるかもしれませんが、情報化社会になり、SNSが活況になり、明らかに一般人との距離が近くなり、誹謗中傷の声もすぐに届くようになりました。
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名前が売れるというのはそれだけ日常がなくなっていってしまうことにもつながるのかと思います。
そういう宿命といえば宿命なのかもしれませんが、極端に書くと、常に誰かしらが自分のことを監視しているようなそんな生活になっていくのかと想像します。
私は特に監視されている状況下であると気持ち悪くて逃げ出したくなるかと思いますが、そういう意味で、有名になるというのはそういうところとも向き合っていかなくてはならないのだろうと感じます。
ちょっと前に陸上選手の多くが、休養宣言をしたり、今年は調整のような形で終えるような話をしていたかと思います。
桐生選手を取り上げますが、桐生選手は10秒01という凄まじい記録を高校時代に叩き出して、いよいよ日本人も9秒台突入か!というところでメディアも大注目。一躍陸上を知らない人でも知っているような有名人になりました。
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しかしながら代表選考ではあまり結果を残せなかったり、怪我の影響から調子を落としたりして、なかなか思うようにいかないこともあったかと思います。結果を出すところでは出していて、リオオリンピックのリレーなどは圧巻でしたね!!
昨年の東京五輪で100mの代表を逃してしまい、リレー一本で本番に挑むも、バトンミスで走るのにすら至らず。あの瞬間になにかプツンと音を立てて切れた印象がありました。現地でちょうどレースを見ていたのですが、悔しいというよりもやはり心の部分の心配をしてしまい、正直心配で仕方なかったというのが私の所見ではあります。
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結果これがきっかけなのか定かではありませんが、今年の日本選手権終わりに、自分の方向性を見直すための休養宣言がなされていました。
自分がその競技が楽しくて仕方がない
その結果周囲の人が喜んでくれる。
という順番であれば、自分自身の内的動機によって突き動かされて活気あふれたパフォーマンスになると思いますが、
周囲の人が喜んでくれるには結果を出すしかない
一生懸命結果を出して証明しないといけない
結果が出たらホッとする(いやもう少し行けたかなと思いますのようなコメント)
結果が出なかった時は激しく自分を責める、世間に謝る
これは外発的動機によって、自分のためではなくて、周囲の人間のために競技をしているので、楽しいという感情はほとんどなくなっているような状態かと思います。
目の前の一瞬一瞬に集中して、全力を尽くしているとついつい
そもそも何のために?
という価値観の部分を忘れがちになってしまいます。
わかりやすくいうと、この価値観というものを無視した行動を自分がとっていると、心というのは敏感で、徐々に拗ねていきます。
本当はやりたいことではないのに、という具合に心は静止しようとします。
しかしながらその心の声を無視し続けていくことによってどんどんすり減っていく。
結果取り返しのつかなくなった時に初めて気づいて、その時にはすでに遅く、症状が悪化した状態で見つかる。
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体の怪我をするときも同じだと思いますが、オーバーワークをしてしまった時に思ったように体が動かなくなって、気づいたら大きね怪我をしてしまった。これと同じような感じです。
心は鍛えるということもそうですが、一つは栄養補給が必要であるということがあります。
心が喜ぶことをしてあげる、すなわち
心の底から今やりたいことをする
ということをすることが大事になります。
甘いスイーツが食べたいと思ったら、少しカロリーはとか気にしてしまうけど、今この瞬間の心のエネルギーのために食べる!ということをすると大変喜びます。そこを全力でいいことした!と思うことが大事ですけど。
またどうしても疲れ切ってしまった、今多くのアスリートがすり減ってしまった状態でどうしたらいいのかがわからないという方も多いかもしれません。
そういう時は、一旦身の回りの環境を変えて、自然のあるところに行くとか、自然が感じられる静かな場所に行ってしばらく自分自身との対話をしていきます。何か体と心を休めながらリラックスできる場所に行って、今までのこと、これからのこと、一旦全部忘れて自分の呼吸と向き合うということ。
メディテーションというか瞑想というか、そういったことというのは自分の心の声を取り戻すためにもあったりします。そういったことから初めて、自分の心の声と向き合う時間をしばらく作ります。
その間はできれば体のトレーニングは行わないというのが理想です。
一人の人間として、自分自身を認識することで、改めて周囲の人間とのつながり、感謝ということを本気の意味で感じることができるのかと思います。
こうした心の休息というのが非常に大事になってきます。
心がすり減った状態、心が病んでいるのに気づかない状態、こうした過剰なストレスやストイックさが、パニック障害を引き起こしたり、さまざまな精神疾患に結びつくということは最近では増えているということもあります。
心の強さというのは皆一緒であって、強い弱いということではなくて、一人一人が認識している必要があるかなと思います。捉え方ということもありますが、どうしても自分のことを責めてしまう、自信が持てないという人はすり減らし方も人一倍であったりするため、心を守るということが必要になってきます。
今回のアスリートの休養宣言、プレッシャーに押しつぶされそうになって発症してしまう精神疾患。
これは決してアスリートだからというわけではなく誰にでも起こりうることです。
心の問題は非常に厄介ですし、ちょっとやそっとではうまく行くようにはならず、時間をかけて見守っていくことが必要です。そのためにも周囲の理解が最も大事であって、そういうことを許容できる人々で世の中が溢れてくれたらいいのになと思います。
気付くのが遅くなる前に吐き出す勇気を。
そういった人々を全力でサポートしていきたいと思います
了
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