音楽が導く心の整理:ビバルディの春
突然入院が決まった日から、私は、「まな板の上の鯉」という、状況や運命に逆らえない無力な状態になりました。
入院初日から、21時の消灯後、暗闇の中で目を閉じても、考えることが何もない苦痛。入院3日目、眠れない真夜中に、自分のお葬式用のビデオを想像することにしました。
息子が生まれた瞬間、頭の中にビバルディの四季「春」が流れてきたことを思い出し、この音楽で見送ってほしいという願いが心に浮かびました。ベッドの上でただ静かに、過去と未来を行き来しながら、少しずつ私の心の整理が進んでいったのです。
休職中の今、日々の忙しさとは違う形で、自分と向き合う時間を過ごしています。まな板の上の鯉のような無力感の中でも、あの「想像ビデオ」は、自分の内面を見つめ直し、未来に向けて新たな一歩を踏み出す準備ができた瞬間だったと思います。息子の誕生という節目で流れていた音楽が、今の私にとって心の支えとなっています。
再び仕事に戻る日を楽しみにしながら、この経験を大切にしていきたいと思います。
ナツ