
「好き」を言語化する技術を読んでみた
ーー「好き」の言語化が溜まっていく。それは気づけば、丸ごと自分の価値観や人生になっている。ーー
この本を読んで1番心に残った文章です。
社会人になって働き始めてから、とにかく集中力がもたない。何を手につけても続かない、仕事から帰ってきたら、とりあえずインスタのリールを永遠に見続けて気がついたら寝る時間になっている。そういう自分の情けない何も生まない今の無駄な状態を少しでも変えたい。時間を無駄にしている感覚をなんとか充実感に変えられないのか。その解決策が「文章を書く」ことかもしれない。そう気づかせてくれたのがこの本でした。もともと、人を喜ばせることやオモテナシすることが好きなタイプなので、自分がいいと思ったことや面白いと思った体験を人に伝えることは割と好きな方でした。それなら、文章を書きながら失った集中力を取り戻しつつ、自分の好きなことをもっと形に残してみようかな。そう思い始めて、noteを書き出してから、これまで1人じゃ最後まで見終えられなかった長編ドラマや本も、感じたことを都度メモに残しながら、最後その感想を書き綴るところまで過程を含めて丸ごと1人で楽しめるようになりました。大袈裟に思われるかもしれないけれど、この本は私の人生を変えるキッカケをくれた本と言っても過言ではないです。
さて、この本の中身についてですが、文章の書き方のテクももちろんたくさん書いてありますし勉強になりますが、それ以上に「言語化することにどれほどの価値があるか」という点について特に著者の熱意を感じました。自分の「推し」に対する「好き」を周りの空気や意見に流されて自分を見失わないこと。推しについて、提供側が想像していた以上の魅力を享受して楽しみ、それを言葉として残し、推しを通して能動的に人生を楽しんでいると感じられる。だからこそ、自分の中の「好き」を信じて言葉として残し、それを守っていってほしい。こういった具合で「好き」を言語化する魅力について存分に教えてくれます。著者の三宅さんから「文章」という推しを紹介されている感じですね。そして私はまんまと布教されちゃいましたね。
でももし、文章を書くテクニックを学ぶことが目的でこの本を読む人がいたら、第5章の【推しの素晴らしさを文章に書く】から読み始めるのがオススメです。文章の書き方のポイントが軽くまとめられているので、ポイントごと気になったとこだけ章を戻って深読みするといいと思います。でもまぁ、そもそも著者の三宅さん自身が、話すこと書くことのプロですから、聞き手読み手が飽きないように工夫を凝らすことにもの凄く長けている方なので、読み始めてしまえば正直一瞬で読み終わります。そんなに字も小さくないですし、頭から読みはじめても半日で最後まで読み終われると思います。
気になる人はぜひ読んでみてください〜〜