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日記と短歌

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その日その日に起こったことや感じたことを短歌一首とともに記します。
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#読書

カラマーゾフの兄弟を読むために読書メーターをやめた [日記と短歌]23,11,7

あした、きょう、きのう、すべてを断つように栞を外す、また巡りあう/夏野ネコ 好きなことが定量化され、それが視覚化されると途端につまらなくなる。好きの総量が目に見えてしまうと、その量を保つために好きじゃないことを続けるようになるから。 私にとって読書メーターがそうでした。 読書メーターは読んだ本の記録をつけていく上でとても優秀なWebサービスです。使っている人も多いと思う。私も使っていました。 ピークの頃はだいたい年間100冊くらいのアベレージで読んでいたのですが、そう

うたは読まれてこそ完成するのかも [日記と短歌]23,4,26

海だねと喩うネットにそれぞれの太陽をもつ歌の島々/夏野ネコ 少し暮らしが落ち着いてきて、ゆっくり本を読んだりもできるようになりましたので、名著と名高い玉城徹さんの「茂吉の方法」を最近ちょっとずつ読んでいます。 短歌を作る方には釈迦に説法ではありますが、斎藤茂吉の作品より133首を取り上げつつ、作者の思いやその時々の境遇、作歌背景などをほとんど考慮「せず」、ただ歌のありようを俎上にあげ批評していく、非常にストロングスタイルな本です。 たとえば作者が初出の出来を嫌ってか後