未来のわたしへ。辛くなったら読むこと。

一週間後、一ヶ月後、三ヶ月後、そして半年後のわたしへ。仕事が辛くなったらこれを読むこと。

今日は1月31日。あなたは明日から、新しい会社で働く。今までとは全く違う仕事をする。大変だと思う。三ヶ月かけて勉強はしたけど全然わからなかったし、そのくせ就職までの間もずっとゴロゴロして漫画ばかり読んでいて努力もしなかった。やらなきゃいけないって、わかってるのにやらなかった。

そりゃ辛いはずだよ。わかってたでしょ。頑張ってない自分が悪いよ。上司に怒られてる？呆れられてる？自分より若くて仕事のできる人たちに囲まれて、もう嫌になってない？

前職を辞めたこと、後悔してる？

なんで辞めたんだっけ。年収は今より200万〜250万くらい高かった。休みも取りやすかった。残業もギリギリ許容範囲だった。何より社内で一目置かれていたから仕事はやりやすかった。嫌なことも理不尽なこともたくさんあったけど、ブラックじゃなかった。

コンプレックスだったんだよね。ずっと同じ会社で働くことが。新卒から一社しか経験していないから、その社会の狭さが嫌だった。もっと広い世界をみたかった。だから旅に出たり、無理矢理一ヶ月の有休を取って語学留学に行ったりした。

でもそれだけじゃ、足りなかった。

もっと別の世界を見よう、そのために他の仕事をしようと思ったとき、ワクワクと同時に怖くもなった。次の仕事が上手くいかなくて、辞めたらどうしよう。そもそもわたしにできる仕事なんてある？派遣やアルバイトみたいな仕事にしか就けなかったらどうしよう。

40代や50代でパートのおばさんになって壁の薄いアパートに住むのなんて絶対嫌。

需要がなくならない仕事をしよう。そう思って色々調べた。結果、インフラエンジニアという自分には全く縁も適性もなさそうな仕事に行き着いた｡今後もIT人材はどんどん足りなくなる指標が出ているし、こんな時代だ、需要がなくなることはないだろう。

これだ、と思った。

ITなんて何にも知らないじゃん、自分の家のインターネット設定もろくにできないくせに何言ってるの。そう周りに言われたし、自分でも同じことを思った。でもやってみたいの、無理だったら諦めるから。変わりたいの、今の情けないわたしから。

フリーランスになるつもりもない、会社員でいい、ただ一生自分が楽しく生きていけるためのお金が稼げる自分で在りたい。

男の人に甘えて生きていけたらいいけれど、結婚するかわからないし、結婚したって3組に1組のカップルが離婚する時代にそんなのナンセンスだ。何より経済力がなかったために人生の選択肢を奪われた自分の母親をずっと見てきたでしょ。あんなふうに、なりたくないでしょ。

決めたら早かった。転職活動をしてみたけどブラック企業しか受からなかったので、とりあえず会社を辞めて研修に通った。そこで色んな人に会い、見聞を広げ、また就活をしたら前回よりは良い会社に内定をもらった。働きたいと思える会社だった。

常駐先を決める面談はストレスで、SESなんてクソくらえとも思ったけれど、なんだかんだいい案件にあり付けた。わたしなんかには勿体無いくらいの案件だ。営業さんに感謝しないとね。

ね、だからさ。きっとわたしが想像つかないくらい、辛いんでしょ。わかるよ。だってあなたはわたしだもん。

でもわたしなりに考えて、選んだんだよ。前職でもしんどいことはたくさんあったでしょ。仕事ができなくて、怒鳴られて、無視されて、全部わたしのせいになって。誰も助けてくれなくて。あれより辛いことは、まあ、あるのかもしれないけど、あれを乗り越えられたんだから、きっと大丈夫だよ。

あなたを可愛がってくれる大好きな先輩たちも言ってくれたじゃん。あなたならどこに行ってもやっていけるよって。メンタルだけは爆強なんだからって。

会社の近くにさ、あなたの好きな景色があるでしょ。疲れたらそこで泣けばいいよ。よく晴れた空を少し切り取って、心に空いた穴を塞ごう。おいしいケーキを食べて、たくさん寝て、恋人にもいっぱい甘やかしてもらって。あ、でも勉強はするんだよ。

胸張っていけ。自信持っていけ。

あなたの大好きな言葉でしょ。何より勇気をもらえる言葉でしょ。昨日とは違う靴を履くんだよ。きっとどこかに連れていってくれるから。

大丈夫、なんとかなるよ。