海がこんなに綺麗だから、忘れられない旅になった。
noteには何度も書いてきたように、わたしは決して夏が得意ではないし、存分に謳歌するタイプでもない。暑さも日焼けもビールも苦手だ。
けれど以前に行った、伊豆諸島は新島の、あの青くて透き通った海は本当に綺麗で、楽しくて。
夏になるとクーラー全開で家にこもりきるわたしにすら、夏って悪くないじゃん、最高じゃん!という気持ちにさせてくれた。
東京都、新島。伊豆諸島にある島までは、竹芝からジェット船で3時間程度。1泊2日の旅行も充分可能な距離。
その島には、何もない。ただ真っ青な海しか、ないんだ。
加工なしでこの美しさ。
こんな青い海を見るのは初めてで、まさか日本で、沖縄以外で、東京都で。こんな透き通る海に会えるなんて、思いもしなかった。
訪れた日は夏休みが終わる週の日曜・月曜だったので、わたしたちのほかに、海で遊ぶグループは1組だけ。
この海を、空を、ビーチをほとんど独り占めだった。
波打ち際の写真が大好きだから、ついついパシャパシャ撮ってしまうんだよなあ。
普段は恥ずかしくて水着なんて、ビキニなんて着ないけれど、こんな海を目の前にして、眺めているだけなんて失礼極まりない。
ためらいもせずTシャツを脱いで、海に飛び込んだ。もう、馬鹿みたいに遊んだ。ろくに泳げもしないのに。なぜか浮かんでいたハンカチ?を、友だちのパンツが脱げたのかと本気で勘違いをしてひたすらに焦り、笑った。
海に向かってジャンプしたい!飛び込みたい!と言った友だちは、いい感じの場所を見つけてさっそく飛び込んでいた。
わたしはびびってできなかったけれど、彼女は本当に楽しそうに、気持ちよさそうに泳ぐ。
人はなぜ、脱いだ服やビーサンの写真を撮ってしまうのだろう。
レンタルした自転車で、島中を走り回った。坂道で思うように進まなくて必死で漕いでいたのに、空気が入ってないだけだと途中で気づいて、愕然としながらお腹を抱えて笑った。
一日中ビキニで過ごしていたら、中途半端に日焼け止めを塗った背中が、見事に手の跡を残して焼けていた。
夜になると島は、また違う顔を見せて。
家もお店も、街灯もほとんどないから、真っ暗な街。ジントニックを飲みながら、失恋の傷を分かち合い。
酔って道路に寝っ転がると、そこには満点の星空があった。星なんて、わたしたちの恋よりちっぽけなくせに、なんでこんなに綺麗なのだろう、と本気で悲しくなった。
良い子は道路に座ったり寝たりしないでね。
新島では他にもたくさん楽しかったことや考えたことがあって、とてもここには載せきれないから割愛させてもらう。
ただね、新島へのたった1泊2日の旅が、何年経っても忘れられないのは、あの美しい海のせいだと思うの。
あんな青くて澄んだ海をみたら、誰だってはしゃがずにはいられない。