映画『雲の向こう、約束の場所』感想
この映画のおかげなのか、北関東について詳しくなりました。
評価(100点満点中)とランク(S~E)
70点
Bランク
評価項目
ストーリー
初見で作品世界に没入するには少々難解でした。後述するように、美麗な映像で不親切な世界観設定の説明を補ってました。
構成
全体の構成は明快だったように思います。主人公たちの目的とその動機が明瞭に描かれていました。しかし、終盤は「なんだこれ?」と思うような場面もありました。
演出
ところどころ実在の本が映像に挟み込まれており、その本の内容がキャラクターのことを暗示するものとして機能しているところは、のちの新海誠作品(例えば、秒速5センチメートル)にも通じています。
キャラクター
ヒロインの一見良い子でいながらミステリアスなところが良かったのですが、一方で主人公二人は少し没個性的だと感じました。おっさんたちのキャラは濃かったです。
映像
新海誠作品らしく背景美術は作品発表当時を考えると素晴らしいです。パッと見でストーリーに入っていきにくかったものの、その分映像で世界観を説明する機能を果たしていました。
音楽
全体的に心を揺さぶられるような音楽体験は少なかったものの、バイオリンのシーンは際立っていました。特に佐由理が学校でバイオリンを奏でたシーンは映像美と相まって感動的でした。
一部キャラクター寸評
・藤沢浩紀
子どもっぽい言動をみせるが、思春期特有の迷っている内面描写が光る。東京の進学先でモテていたのがツボ。
・白川拓也
イケメンでモテ男で勉強もできるスーパーマン。ただし、頭が良いからか時折精神面での未熟さを晒しだしてしまうことも。大人の女性の庇護欲をそそる魔性の男。
・沢渡佐由理
ある意味で新海作品における人間界最強キャラ。いかにもな正統派ヒロイン。人間型超スーパーコンピュータ。
・岡部
CV石塚運昇っていうだけで、出てきたときから胡散臭かった。最初はこいつ黒幕か?と思った。
・富澤常夫
岡部と同様、CV井上和彦でコイツも最初はヤバイやつなのでは?と思った。岡部と同様黒幕ではないけどヤバイやつだった。
・笠原真希
ショタコンお姉さん。
・水野理佳
浩紀の東京での嫁。小説版ではもっと出番があるらしい。
まとめ
映画を観るだけでは世界観が分かりにくいのが印象的でした。ネットで情報収集することで解像度が上がりました。この時期の新海作品は手作り感があって個人的に結構好きな部類です。
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