あなたが好きでした
愛しい貴女へ
あなたが好きでした
あの頃のボクにとって
貴女は綺麗すぎて素敵すぎて魅力的すぎて
とても自覚なんて出来なかった
愛しい貴女へ
あなたが好きでした
あの頃のボクにとって
貴女は特別すぎて大切すぎて愛しすぎて
貴女がただ笑顔でいてくれたら
幸せでいてくれたら
それで良いと本気で思っていました
いつの日にか 僕を忘れてしまうとしても
いつの日にか 誰かと届かぬ場所へいっても
貴方さえ幸せでいてくれたらそれでいい
本気でそう思っていたんです
貴女に出逢ってしまった日から
逢えなくなってしまうあの日までずっと
僕は自覚さえ出来ていないままに
たぶん、貴女に恋をする暇もないままに
愛してしまっていたんだと思います
大袈裟に感じるかもだけど
僕は貴女を愛してしまっていた
ただ余りにもキレイな君のいる世界に
あんなにも素敵な君を包む世界に
君が見る景色や君が生きる道に
この先もずっと僕が交わる事はないと
今だけの偶然の時間でしかないと
そう思っていたから
僕には君に恋する資格さえないと思っていたから
こんなにも君を愛していた事に
気付けなかったし
畏れ多いと思ってしまっていたんだ
そして卒業を間近に控えたあの日の手紙で
愛情よりも深い友情で君と繋がっていたいと
そう書いたけれど
あれは自覚さえ出来ずにいた僕なりの
素直な愛情と照れ隠しと未練と願いとを込めた
精一杯の告白だったんだ
そしてあの手紙を渡した瞬間を最後に
二度と君の声が聞けなくなってしまったけれど
そしてボクは自覚したんだ
あの苦しみの中でボクは自覚したんだ
でももう二度と戻れないし
取り戻すことも出来ない
あの日の真実を知ることも出来ない
あの日の君の気持ちを聞くことも出来ない
どんなに泣いても後悔しても
それはもう叶わない
どんかに苦しんでも焦がれても
張り裂けそうな想いに胸を焼かれても
それでもどうにもならないから
君の声も
君の笑顔も
全てを失ったあの日から
ボクは今もまだあの愛に縛られたままでいます
本当に情けないけれど
神様がいるのならと
何度も何度も思ってしまう
もしもたった1度だけ時間が戻せるのなら
自分の心に気付けていなかったあの日の手紙を
はにかみながら受け取ってくれたあの日の手紙を
絶対に貴女に渡したりしないのに
もしも今たった1つだけ願いが叶うのなら
あの日の手紙を受け取った後の貴女の声を
どうか聞かせてください
勝手なのは分かっているけれど
もうボクの心を
あの日の呪縛から解き放ってください
愛しくて
苦しくて
泣きたくて
それでも忘れられなくて
どうしようもないこの想いを
どうか殺してください
どうか助けてください
貴女の声を聞かせてください
そうでないなら殺してください
あなたが好きでした
*** 押入れから出てきた黒歴史ポエム ***
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過去のボクは昭和の固定観念や慣習に縛られ、自分や家族を苦しめていた事に気付きました。今は、同じ想いや苦しみを感じる人が少しでも減るように、拙い言葉ではありますが微力ながら、経験を通じた想いを社会に伝えていけたらと思っていますので、応援して頂けましたら嬉しいです。