作ってくれたおにぎりが私の心より大きすぎた話し
私の過去のエピソードのひとつを書きたいと思います。
仕事を休んだり復職したりを繰り返し、たくさん迷惑かけても、それでもどうしても辞めたくなかった。。
1番の理由は付き合っていた彼氏と絶対結婚したかったから。(初めての本音です。)
もちろん最初の方は経済的な理由が大きかったです。
でも結婚を前提にお付き合いして同棲までするようになると、どんどん欲が出できました。
病気を完治して仕事をして、彼氏の親に認めてもらいたい、良い人だと思われたい、とか。
みんなからの祝福で完璧で大きな結婚式を挙げたいとか。
将来的に子供を産みたいからお金が減るのは嫌だとか。
昔から理想の共働き家庭を絶対手に入れたいとか。
本当に自分のことしか考えていない手前勝手な自己中な欲望だと今は思います。
彼氏や周囲、主治医にもお仕事を続けたい理由は社会の一員から離れたくない、貢献してアイデンティティを保ちたいなど一見するととても良いようなことをくどくど言っていました。
(本音の中のひとつで嘘はついてはいなかったけども。)
自分の目的のためなら手段を選ばす、突っ走る傾向にある私。
休職中でも野望の結婚入籍をした私。
あとは仕事さえ上手くいけばコンプリート。
リワークに通い最後の賭けに出ました。
でも復職はさすがにこれで最後。これが失敗したら退職するつもりでした。
(言っては何だけど、結婚はできたしね)
そして、ここからおにぎりのお話しなのです。
職場まで遠くて夫より1時間以上朝早く起きて用意する私に、夫はいつもおにぎりを2つ作って見送ってくれていました。
普段は料理はほとんどしない夫。
私よりもかなり不器用な夫。
大きなおにぎり。
いつも具は梅干しだけ。
海苔もなくて真っ白なお米です。
その心遣いがとっても嬉しくて、お昼に食べるのが楽しみでした。
でも。。。
気合いを込めて仕事に行ったのですが、ほとんど仕事が出来なかったです。内容が頭に入ってこなくて手が付けられない。
職場に行って座っているだけでもストレスで、
どんどん疲弊していました。
食欲もどんどんなくなってきました。
それでも毎日渡してくれる大きなおにぎり。
全部食べてあげたい。
でも見ただけでもうお腹がいっぱい。
何とか一口だけ食べる。
具の梅干しまではたどり着けない。
何とか食べようとするたびに、夫の労ってくれる気持ちが本当に大きすぎて、最後の頃は涙を流しながら必死で口に運んでいました。
仕事が辛くて辛くて。
息するのも苦しくて。
そんな状況なのに、おにぎりだけはドーンと毎日やってくる。
「頑張れ!頑張れ!」
「辛くても生きろ!」
そうおにぎりが言っている気がして、それが私には大きすぎた。
結局、死にそうなるまで続けて仕事は辞めることになりました。
自己中な考えで復職した私への罰だと思います。
あの大きなおにぎりは夫が私のことだけを思って、心を込めて作ってくれた優しさが詰まったもの。
でも私の心は自分のことしか考えてなかった。
だから私の小さい小さい狭い心には入りきらなくて、大きすぎた。
食べてると涙が出てきたのは、感謝の気持ちだけじゃなくて、重すぎてプレッシャーに感じてしまったから。
あれからまた月日は流れたけど、あの大きなおにぎりより私の心は大きくなれたんだろうか。
そして今度は美味しい、美味しいって全部食べられるのかな。
そうだったら嬉しいし、夫に心からの「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えたい。