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祖父を思い出す研ぎ石

毎日、何度も何度も立つ場所は台所だ。
そこに、すぐ使えるように立てかけてあるのが、亡くなった祖父の研ぎ石。

実家を出てから色んなタイプの研ぎ石を使ってきたけど、なかなかしっくりこなかった。
ローラーの間を滑らす簡易的な物や、ダイヤモンド素材?よく分からないけどコンパクトで手軽というようなものなど。
しっくりこなかったというより、こだわってこなかった。だから、ほとんど包丁は研いでこなかった。

たまたま読んだ本に影響されて、包丁研ぎにもっと意識を向けるようになった。

その本は、森沢明夫さんの『エミリの小さな包丁』という物語。

この物語で登場する祖父が、丁寧に包丁を研いでいた印象があり、「ちゃんとした研ぎ石できちんと切れるように研ぎたい」と思うように。
※とうぶん前に図書館で借りて読んだ本なので、記憶違いだったらすみません…。今度手元に置いておきたいから買おうと思ってます!

それでも、なかなか研ぎ石に大金はかけられないというケチさも捨てられなかった。

実家に帰省した際に、研ぎ石を探しているという話をしたら、亡くなった祖父の研ぎ石がまだ祖父宅にあるとのこと。
見に行くと、確かに祖父が使っていた研ぎ石が、使っていた場所にそのまま置かれてあった。
祖母も亡くなり、もう誰も使っていないという事で、ありがたくいただく事に。
(祖母も使っていたと思うが、祖父が使っている姿しか当時の私は見たことがなかったので)

たくさん使ってきた形跡そのままの、いびつな形の研ぎ石。

ちゃんとした研ぎ方を知らないので、感覚だけで使っているが、頻繁に錆びてしまう包丁がよく切れるようになった。

研ぎ石は亡くなった祖父のもの。
包丁は結婚した時に、お義母さんから買ってもらったもの。

切れ味が悪くなってきたと思ったら、すぐに研ぐようにしている。
今日も夕飯の支度の時に研いでいると、三女が「やりた〜い」と言い出したので、挑戦してもらった。
素人が素人に指導する図w

間違った方法を覚えさせてしまったらいけないから、今度ちゃんと研ぎ方の勉強して教えるね!

我が家の包丁研ぎはコレ。
だから子どもたちは包丁研ぎのジェスチャーはコレで浸透しているから、友達に伝わらなかったらしいw
たぶん、このスタイルの人は少ないと思うよ、と伝えたw

包丁を研ぐ度に、祖父を思い出す。
いびつな形の祖父の研ぎ石、孫とひ孫が大切に使わせてもらいます。

おじいちゃん、ありがとう。


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