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【兄とのはじまり】第4話(最終話):こまかすぎる感想
フジテレビ7月期 月9ドラマ「海のはじまり」。
TVerで公開されたスピンオフドラマ「兄とのはじまり」について、愛情重めで語ります。
今回は、海回。最終回です。
番組情報
「海のはじまり」公式サイト
第4話(最終話) 「海」
あの水季さん
夏が実家で海のことを打ち明けた日の夜、大和は夏に、「大学の時の人って、水季さん?あの水季さん?」と聞きます。
「うん」とだけ答えた夏。
夏も大和も、表情が曇ります。
大和のモノローグ。
「子ども、生きててよかったじゃん、と思ってしまう。それよりも、子どもを残して死んだ人のことを、考えてしまう。俺がこれくらい辛いってことは、兄ちゃんはどれくらいなんだろう。」
大和は水季と直接関わったこともあり、水季のことが好きだったし、大好きな兄ちゃんの大切な人だったし、水季の死は、大和にとっても受け入れがたいことですよね。
今必死に海と向き合おうとしている夏も、まだまだ全然、そのことって受け入れられていないと思うし。
これ以上言葉は交わさないけれど、曇っていく二人の表情、それぞれの思いに、苦しくなるシーンでした。
メロメロ大和
日付が変わり、夏に連れられてやってきた海を、あのキラッキラな瞳で見つめた大和くんのシーン。
何度見てもキラキラ具合がすごい。人の目ってこんなにもキラキラするのかと、感心です(笑)
大和のモノローグ、「わかった気になるのはダメだけど、でも、この子の辛さだけはわかってあげていい気がした」。
昔の恋人を亡くした経験も、突然7歳の娘が現れた経験もない大和は、夏の気持ちをわかってあげることは出来ないけれど、幼くして母親を亡くした経験のある大和は、海ちゃんの気持ちに寄り添える存在になれるかもしれません。
一緒にゲームをしたり、実の母親を「ママ」って呼んでいる秘密を共有したり、大和なりに海に寄り添うための優しさだったのだろうと思うと微笑ましいです。
そして、シンプルに大好きな兄の娘がめちゃめちゃ可愛くて、メロメロになっている大和くんも可愛い(笑)
ここでも出てきましたが、本編でも弥生さんが言っていた、「好きな人の子ってかわいい」っていう台詞、これってなんか本当に、素敵な言葉ですよね。
「自分の子はかわいい」よりも、なんか伝わってくる愛情の量が違って、素敵な表現だなと感じます。
ママはいなくならない
大和と海、二人の秘密の会話が続きます。
-南雲海「ママのことちゃんと覚えてる?ずっと会わないでいると、忘れちゃわない?」
-月岡大和「俺のママが死んじゃったのは5歳の時だから、今の海ちゃんよりちっちゃかったんだよね。だから、正直ちょっとずつ忘れてってる。でもそれって、ママのことを忘れちゃうってことじゃなくて、思い出せることがちょっとずつ減ってってるってだけで。うん、何て言えばいいんだろ。全部忘れちゃうってことは、絶対ないよ。」
-南雲海「本当?」
-月岡大和「うん。今俺25歳だよ。20年前だし、海ちゃんよりちっちゃかったけど、覚えてることもちゃんとある。」
-南雲海「うん。わかった。」
-月岡大和「うん。それに、たまにママのこと忘れちゃう時あってもいいんだよ。」
-南雲海「たまにある。」
-月岡大和「うん。俺も。どんな時?」
-南雲海「授業中とか。」
-月岡大和「それは偉いよ。ママも褒めてると思う。」
-南雲海「でもまたちゃんと思い出す。」
-月岡大和「うん。なら大丈夫。」
やっぱりここでも、本編と同じように、「いなくならない」というメッセージが言葉になりましたね。
今の年齢の海ちゃんには、理解しきれていないこともたくさんあると思うけれど、ママにもう会えないことはわかっていて、ママのことを忘れちゃうんじゃないかと心配に思っているところもあって、やっぱり幼いなりにたくさんのことを一人で考えているんだろうなと思うと、胸がきゅっとなります。
でもきっと、大和が自分と同じだっていうこともわかっている海ちゃん。
だから大和にこっそりと、ママのことを聞けたんですよね。
そんな海ちゃんに寄り添った大和くん。
大和くんがこれからも海ちゃんのそばにいてくれたらいいな。
本編第1話で、水季が浜辺で海に向かって言った、「いるよ。いるから大丈夫。」の台詞。
それが聞こえてくるようなシーンでした。
つながり
水季が使っていたスマホに保存された水季の画像を大和に見せてあげる海。
「懐かしい。全然変わってない。でも、お母さんの顔してる。」と大和。
昔夏のアパートで何回か水季に会ったことがあるよと話す大和。
そういえば、本編であった、水季が海と夏のアパートまでの道のりを「練習」したことがあるという件。
あれも今後どこかで回収されそうですね。
「夏くんが大和って言ってたから」と、大和を呼び捨てにする海。
「これからも兄ちゃんのことよろしくね」と大和に言われ、「大和もね。兄弟仲良くね。」と言った海。
水季と同じようなことを言う海。
親子なんだなと実感しますね。
水季も、海も、弥生さんも、どこか似てて、どこか繋がっていると感じます。
大和の最後のモノローグ。
「ママも、水季さんも、生きててほしかった。でも、ママが生きてたら、出会えてない人たちがいる。この変な気持ちは、海ちゃんとだけこっそり共有出来たら、それでいいかなと思う。こんなに可愛い姪っ子が出来たのも、7歳の時、突然、兄が出来たから。」
なんかもう、これがすべてだなって、じんわりと沁みるラストでした。
大和のママが亡くなったこと、夏のお父さんが離婚して会えなくなったこと、弥生が中絶したこと、水季が亡くなったこと、全部、悲しかったし、もしも違う未来があったならって、想像してしまうこともきっとあって。
でも、そういうすべての出来事があったからこそ、巡り合えた出会いがある。
その出会いを、今を、否定したくないと思えることは幸せなことだし、誰かに負い目を感じたり罪悪感を感じたりはしなくてもよくて。
いなくなっても、本当にいなくなっちゃうことはないし、忘れてしまっても、なくなるってことじゃない。
だから大丈夫。
そうやって生きていけばいいし、生きていけるよ。
そんなことを伝えてくれるような物語でした。
もっともっと永遠に観ていたかったけれど、大満足です。
最後に夏と大和と海が大笑いしてるただただ楽しいシーン、なんか、夏が笑顔全開のシーンってこの物語では多く登場しないので、夏くんにこういう場所があることが嬉しかったし微笑ましかったです。
ところで、木戸大聖さんって、こんなに純真な感じ、いい子感を嫌味なく、誰もが大好きになっちゃう感じで演じられるの、すごいですね。
モノローグも感情が伝わってきて可愛らしくて上手だし。
最近だと、「ゆりあ先生の赤い糸」「9ボーダー」などを拝見していまして、「いいやつ」が似合う役者さんだなと思っていましたが、「いいやつ」と言っても色々なタイプがあって、演じ分けされているのがすごいなと感じました。
目黒さんとは確か実際には同じ歳なんですよね。
それなのに圧倒的な弟感を出せる木戸さん、不思議な魅力で、これからも注目ですね。
本編に加えてスピンオフまで、私たちを幸せな気持ちにさせてくれる作品でした。
津野サイドとか、朱音サイドとか、水季サイドとか、弥生サイドとか、全員のスピンオフを永遠に観ていたい気分です(笑)
「兄とのはじまり」、楽しかったな~。
本編も引き続き、楽しみです!