【詩】「どうしてか冷えている」
この夜はどうしてか冷えている
流れる風はどうしてか冷たい
誰かの家の下を通り過ぎた
窓は暗いままで変わりない
視線を戻した時に吐いた息は
どこかに消え落ちていく
繰り返す毎日に句読点はない
感嘆符も引用符もない
誰かから届いた文章の
意味は大抵読み取れない
視線を上げた時に入る景色は
いつもおんなじ色調
この夜はどうしても冷えている
流れる風はどうしても冷たい
繰り返す毎日にピリオドは打てない
吃驚もできないし又聞きもできない
誰かの家の下を通り過ぎた
窓は暗いままで今日も変わりない