ライター講座が人生コンサル講座になった
ノンフィクションライター中村敦彦さんの
ライターライティング講座をただ今受講中。
月1回講座があって、課題が出され、
提出すると、プロの売れっ子作家の先生から
直接フィードバックがいただけるという講座である。
4月から始まって間もなくもうすぐ1年。
”とにかく自分と向き合え”
ということを、
手を変え品を変え
「1年間いろんな方法で言ってきたよね」
もうぐうのねが出ないし、
こんなに物分かりが悪かったかなと少しへこむ。
自分と向き合う作業がなぜ必要か
何のために向き合うか、
それは人によって異なるだろうが、
私の場合は自分自身に強くその必要性を感じている。
そもそもこの講座を受けるきっかけになったのは、
自分のことつまんないし、
人に誇れるものも大してないし、
全然自分のことが好きじゃない。
と思っている自分を、
何か許せるとしたら、
自分の名前で仕事ができるようになったら許せる
のではないかなというふうに数年前思い始めたのがきっかけだ。
今、到底許せる段階ではないが、
その手段が
好きだし、
ある程度できるんじゃないかなかと踏んでいたライティングだったのだ。
しかし受けるや否や、先生から告げられたのは
出版業界終了のお知らせ、
閉店ガラガラ
という内容だった。
出版業界が斜陽産業なのはもちろん知っていた。
が、どれくらい斜陽しているかなんていうのは
読者でしかない私にはまったくわかっていなかった。
出版業界のレッドカードを出されて、
就職したのに速攻倒産
みたいな感じになってしまった。
そうしたら次には
先見の明ある音声配信を勧められて
音声配信講座も今兼ねている現状だ。
ありとあらゆる方法で情報発信しているいま、
新聞・本という「読む」から、
YouTubeとか「見る」になって、
ポッドキャストとかボイシーとか「聞く」っていう選択肢も
バイプレーヤーからのし上がってきている印象。
アマゾンオーディブルとかも。
みんな忙しいので
どんどん便利でお手軽な方向に流れる
ということは、
そういう観点からすると当然な流れか。
とそんなことを思いつつ、
自分の話に戻ると、結局書くの好きだし
とライティング講座受けて
言われるままに音声配信し始めてっていう状況で、
もともと書くっていうのは
手段だけであって目的になり得ない。
その「書く」がちょっと
ある意味手段が目的化されてしまっていたので、
そこに何を伝えたいかっていうのが自分の中では空洞のままだ。
とはいえ書きたいと言ってるので
何を書きたいかってある程度あるものの、
よほど尖った文章や特異な内容でない限り、
私が書いたところで埋もれるし読まれない。
とことん普通なわたしは
普通にやっていても
普通なだけなので、
どうしたら読まれるようになるか。
これこそが
「自分と向き合う」
ということなのだ。
どうやったら自分に向き合えるのか
私は森岡毅さんという、
P&Gで生活用品・化粧品の会社で
めちゃめちゃ成果出して
瀕死の大阪のテーマパークUSJ
ハリーポッターエリアの導入なおでV字回復したこと知られる方の本を読んだ。
この本は
就活に悩む自分の娘たちへ書かれた本だ、
ビジネスマンの父として
人生を豊かにする仕事をするために
実践するべき・考えるべきポイント。
あとは激厚胸厚なメッセージが綴られている
とても丁寧で優しい良書だ。
前半はキャリア戦略をどう勝ち抜くかのハウツー。
本当にざっくり言ってしまうと
自分の強みを知った上で職能を選んで、
その職能を開花させるには
どういう戦略でマーケットを選んだり、
努力すればいいのかということが書いてある。
言われるまでもない非常にシンプルな話なんですけど、
そこが自分は全くできていないのだ。
言われて別に目新しいことじゃないが
じゃあできるかということは全く別の問題である。
育休で比較的時間が取りやすい今こそ
そこに向き合うラストチャンス。
ようやく重い腰を上げて
いや、
これまでの甘えている姿勢じゃダメだと
何十回目かに思ったのだ。
何度嫉妬したか。
何度落ち込んだか。
何度臥薪嘗胆を心に決めたか。
こういうことを就活生で考える人がたくさんいる中で、
今までぬるま湯に使ってたツケが回ってきたっていうだけだ。
周回遅れどころじゃないが、
今よりマシになるために、
いやそれは保身で、
自分で独り立ちして仕事ができるようになるために
やるしかない。
引きこもれ!
作家の吉本ばななさんのお父さん
思想家の吉本隆明さんの本に
「引きこもれ」
という本がある。
一人でこもって
どこまで自分の中に飲み込んで、
どこまで突き詰められるか
そんなことを本で言っている。
自分と向き合う作業とはこういうことか。
ライティング講座が
まさかの人生コンサルタント講座になるとはとても思ってみなかった。
それほど発信するということは
自分という人間の根本が問われる作業で、
売れてる人というのはそこをとことん突き詰めた人なんだな
と思わざるを得ない。
そんなことを講座終わりに、
感想というか、反省ばっかりだが思った次第でした。